2016.6.29

(本記事は2016年6月に掲載されたものです。2018年現在、世間から高い注目を浴びている「ライブ配信サービス」について、2018年10月に掲載した「群雄割拠のライブ配信サービス!17Live、Live meなど人気サービス7選を紹介! 」も必見です。)

以前よりじわじわと人気を高めていた顔認証アプリ。特にSnapchat(スナップチャット)は飛ぶ鳥を落とす勢いでユーザー数を伸ばしてしており、つい先日もDAU(デイリーアクティブユーザー)数がTwitter(ツイッター)を超えたと報じられました。韓国発のアプリ、SNOW(スノー)も2016年6月14日付のApp Store無料アプリチャートにて、なんと堂々の1位を飾っています。そんな絶賛ブーム中の顔認証アプリですが、SnapchatやSNOW以外にもたくさんあるんです。8つの顔認証アプリが、それぞれ、どんな違いがあるのか比較してみます。

Snapchat(スナップチャット)
SNOW(スノー)
MSQRD(マスカレード)
egg(エッグ)
Camera360(カメラ360)
lollicam(ローリーカム)
Vell(ヴェル)
YouCam Makeup(ユーキャム メイクアップ)

Snapchat(スナップチャット)

顔認証1
Snapchat
より

まずは言わずと知れた顔認証アプリブームの火付け役、Snapchatから見ていきましょう。TwitterやInstagram(インスタグラム)でおなじみの犬のフィルターはもちろん、常時18種類前後のフィルターが揃っています。フィルターは数時間ごとにいくつか入れ替わっており、入れ替わったフィルターは既存のものや、新しく追加されたもので、ランダムに用意されます。例えばお気に入りのフィルターが表示されなくても、数時間後、あるいは数日後には使えるようになる可能性があります。

Snapchatには友達とメッセージや写真を送り合えるチャット機能や、“ストーリー”と呼ばれるSNS機能、ライブ配信機能、CNNやTastemadeなどのメディアから配信されるコンテンツを見ることができる“ディスカバー”があります。最近では企業がSnapchatアカウントを作り始め、ライブ配信も多く行われております。

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Snapchatアプリより
デザインが変わり、よりユーザーが直感的に見やすいようなったディスカバーページ

Snapchatは2013年にFacebook(フェイスブック)から30億ドルで持ちかけられた買収を拒否。その後昨年9月にアニメーションフィルターの拡充を目的にLooksery社を買収しました。今年4月には3D・VR関連のコンピューター映像企業であるSeene社を買収していたことがTechCrunchによって報じられました。今後3D、VRコンテンツへのSnapchatの進出が期待されます。

SNOW(スノー)

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iTunes
より

韓国のNAVERから独立したCampsMobileが提供するアプリです。フィルターにはnewやhot、かぶりもの系、メガネ系など16種類ものカテゴリーに分けられています。中には韓国のアプリなだけあり、K-POPアイドルとのコラボレーションフィルターもあり、フィルターの総数はおよそ400にのぼります。

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SNOWアプリより
韓国の5人組ボーイズグループ、 B1A4のフィルター

Snapchatと同様、ストーリー機能やチャット機能はありますが、Snapchatの様な企業や団体が配信するライブ配信はできません。写真、動画に加えてgif画像も撮影することができます。SNOWのSnapchatよりも優れている点は、徹底的に女の子ウケを狙っているところでしょう。10代〜20代前半の女の子が好みそうな可愛らしさを前面に押し出したフィルターが多く揃っており、フィルターとは別に31種類ものエフェクトがかけられます。エフェクトで美白にしつつ、フィルターで猫になってみたりハートを飛ばしてみたり、ということが出来るのです。

▼女子中高生に人気のモデル、藤田ニコルさんもSNOWを愛用

https://twitter.com/0220nicole/status/745091058829168640

MSQRD(マスカレード)

顔認証2
MSQRD
より

今年3月、アプリ公開後4か月にしてFacebook傘下になったことで話題となったベラルーシ発のアプリ。Snapchatの買収に失敗したFacebookの傘下ということで、Snapchatの対抗馬とも言える存在です。MSQRDにはお馴染み動物になれるフィルターの他に、映画キャラクターになりきれるフィルターなど、リアルなフィルターが多いことが特徴です。およそ70種類のフィルターがあり、現在は“COPA2016”というカテゴリーで※COPA AMERICA(コパアメリカ)出場国のフィルターも登場。SNOWや後述のアプリと比べると、どちらかというと男性向け要素の強いアプリとなっています。

※1 COPA AMERICA(コパアメリカ)…南米サッカー連盟が主催する最も古いナショナルチームによるサッカーの大陸選手権大会

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バッドマンになれるフィルターなど、男性ウケの良いフィルターが多い

画面左下にあるハートマークを押すことでフィルターを“FAVORITES(=お気に入り)”に追加することが可能。お気に入り登録したフィルターたちは“FAVORITES”のカテゴリーに集められ、後から見た時にそこから選択することができます。MSQRDにはSNS機能はなく、動画と写真撮影のみの加工アプリとなります。

egg(エッグ)

顔認証3
LINE NEWS
より

LINEが今年5月26日に新しくリリースしたアプリです。フィルターには顔の動きに連動して動物などになりきれる3Dマスクタイプと、口から虹を出したり、涙を流しているような表現ができるエフェクトタイプがあります。3DマスクタイプにはLINE発のアプリらしく、LINEキャラクターでお馴染みのコニーやジョーを含む70種類以上があり、エフェクトタイプには30種類が揃っています。

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LINEの人気キャラクター、コニーのフィルター

SNOW同様、これらのフィルターをカスタマイズして組み合わせることができ、さらにオリジナルで3Dマスクを作成することも可能です。最大2分の動画と写真が撮影可能。SNS機能やライブ配信機能などはなく、加工アプリ機能のみとなります。

Camera360(カメラ360)

顔認証4
MOBILITARIA
より

“盛れる”アプリとして以前から人気のCamera360もついに顔認証コンテンツをスタートさせました。“ファニーステッカー”の数はおよそ100、定番とも言える動物のフィルターもデフォルメされた可愛らしいものが多いのが特徴です。かねてより人気のエフェクトは約50種類が揃い、ストアでさらに追加することができます。

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世界各国をイメージした面白フィルターも

顔認証機能はスマートフォン内の写真でも利用することが出来ますが、その場合はファニーステッカーは使えず、小顔補正やくま消し、目を大きくする加工などの本格的な写真編集が可能です。SNS機能はなく、加工アプリのみの機能となります。

lollicam(ローリーカム)

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THE BRIDGE
より

韓国のSeerslab社がリリースしているアプリです。韓国アイドルが広く利用していることからも注目されています。

https://twitter.com/lollicamjp/status/841910621708914691?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E841910621708914691&ref_url=https%3A%2F%2Fapptopi.jp%2F2017%2F03%2F22%2Flollicam%2F

フィルターの数はおよそ500、エフェクトは約40という圧倒的な多さ。フィルターやエフェクトだけでなく、顔色補正や顔のサイズを細くしたり、目を大きくしたり等の調整が出来ます。写真、動画はもちろんgifにも対応しており、それらには自分のスマートフォン内にある音楽や、アプリ内でBGMとして提供されている音楽を追加することが可能です。SNS機能やライブ配信機能はありませんが、加工アプリとしてはこれ以上ないくらいの充実度です。

 
また今年4月にはFacebookビデオプロフィール機能のグローバル・パートナー会社に選定されました。これによりlollicamで撮影した写真や動画をFacebookのプロフィールとしてすぐに利用できるようになりました。

Vell(ヴェル)

顔認証7
Vell
より

ここまでご紹介したアプリはほとんど韓国やアメリカ発のものでしたが、こちらは日本発のアプリです。Vellの最大の特徴はなんと言っても、日本の女の子たちにウケがいい要素が詰まっている点でしょう。人気イラストレーターらによるフィルターが50種類以上あり、透明感が出るようなエフェクトが16種類揃っています。Vellの顔認証フィルターはスマートフォン内の画像も使えることがポイント。GU(ジーユー)やDIESELといった人気ブランドや、女子中高生から絶大な支持を得る俳優 山崎賢人さん主演の映画「オオカミ少女と黒王子」などと、積極的にコラボレーションをしており、期間中にそれらのフィルターを無料でダウンロードすることができます。


プロモーションに女子中高生を中心に人気を集めるモデルやタレントを多く起用しているのもポイント。Twitterと連動させてInstagramのように他ユーザーがVellを使って撮影した写真や動画を見れたり、メッセージのやり取りが出来るSNS機能もしっかり装備しています。

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さらにライブストリーミング機能も付いており、コメントやいいね、シェアが出来ます。あらゆる顔認証アプリの良い点を凝縮し、日本のティーン向けにアレンジしたような印象を受けます。

YouCam Makeup(ユーキャム メイクアップ)

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iTunesより

YouCam Makeupは台湾発のアプリで、瞬時に自然なバーチャルメイクを施してくれることで人気のアプリです。メイクアップフィルターの数も多く、自然なメイクに仕上がるNaturalと派手なメイクや動物のようなメイクが揃うCostumeの2種類があり、それぞれ70種類前後のフィルターが揃います。動物のフィルターも顔に特殊メイクを施したようなもので、これまでご紹介したアプリとは少し毛色が異なります。

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Naturalフィルターの方にはセレブと同じメイクができるフィルターや、コスメブランドのCLINIQUE(クリニーク)、韓国コスメブランドのLANEIGE(ラネージュ)の提案するメイクができるフィルターなどが揃っています。コスメブランドのリアルイベントでも積極的にコラボレーションしており、先日行われてたshu uemuraのイベントでは、モデルの鈴木えみさんが利用している様子をInstagramにアップしています。

▼鈴木えみさんがshu uemuraのイベントで体験


SNS機能が搭載されており、メッセージの送受信や、Pinterest(ピンタレスト)のように投稿を自分のCircle(サークル)に追加しまとめることができます。投稿はカテゴリーに分けられおり、ネイルやファッション、美容製品など、完全に女子向けにフォーカスしたコンテンツとなっています。“Men”のカテゴリーもありますが、男性向けと言うよりはかっこいい男の子をひたすら女の子たちが投稿している様子です。

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フィルターと同じメイクのやり方を紹介する動画の投稿もあり、気になったメイクをフィルターで試してみる→良かったら動画を見て実際にメイクする、ということが可能です。
ハロウィーンなど何かとイベントで仮装に力をかける日本の若い女の子たちに受けが良さそうなアプリです。

まとめ

ご紹介した8つのアプリを日本市場においてどう評価出来るのか一覧にしてみました。
顔認証8
SnapchatはSNSの新星として圧倒的な存在感を放ち、顔認証アプリとしてスタートしたアプリの中では極めて多いユーザー数を誇っています。SNS機能やライブ配信機能など、企業が介入する体制が揃っている点でも高ポイント。
SNOWは、まだユーザー数は少ないものの、日本の高校生はSnapchatではなく、SNOWの方がアクティブと答えるなど若年層から圧倒的な支持を得ています。その為、日本市場においては、◎という評価をつけています。

また、YouCam Makeupは美容に特化しているのが強みです。さらにリアルイベントでもコンテンツとして導入されるなど、企業のマーケティングツールとして活用される事例が多い印象です。企業相手に既にマネタイズ出来ているという点が他と比較しても強みであるため、高い評価をつけました。

それ以外の加工アプリはSNS機能が無かったり、ライブ機能がないなどと、他との差別化が難しいことが事実ではないでしょうか。すでにプレイヤーの多い加工アプリ市場の中で、ユーザーが定着しているアプリからのリプレイスもなかなか想定はしづらいと思います。今後、eggやVellの様なニューカマーのサービスがどれだけユーザー数を確保し、コミュニティを形成することが出来るのか、引き続き注目していきます。

Text:Karin Satomi

 

 

COMPASSでは、その他様々なSNSについての記事を多数掲載しております。2018年10月には、加速するライブ配信サービスについて、人気のライブアプリ7選をまとめた記事を更新しました。アプリの紹介だけでなく、ライブアプリが人気を集めている秘密なども分析していますので、ぜひ一読ください。

Written by
COMPASS編集部
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