ミレニアル世代を囲んだ、プロモーションを積極的に行うブランドとして、注目したいのがCalvin Klein(カルバン・クライン)です。モデルキャスティングやキャンペーン内容からは、ミレニアル世代に向けたアプローチが見受けられ、非常に注目したい企業プロモーションの1つです。
今回のキャンペーンは、Calvin Kleinが展開する4ラインを、同時に、1年に渡り行われています。長期のキャンペーンということもありで、消費者にどのような目的をもって、商品をプロモーション行っているのか掘り下げていきます。
長期による内容重視のプロモーション
Calvin Kleinが展開するプロモーションは、2016S/S(春・夏)から、2016F/W(秋・冬)に渡って行われています。『I ____#mycalvin 』というテキストを盛り込み、ハッシュタグ『#mycalvin』での拡散を促したプロモーションです。
モデルのケイト・モスは、I am untouchable in #mycalvins (私は、#mycalvinsで無敵になれる)というタグとともに写真を投稿しています。加えて、注目したいのが、月額音楽アプリSPOTIFYとのコラボレーションです。若者のカルチャーに寄り添ったコンテンツは、ブランドのファン並びに、音楽ファンへのアプローチが可能です。
『I ____#mycalvin 』の空白にあるキーワードを、アプリ内で選択し、広告で起用されたキャストによって作られたプレイリストが選べるという仕組みとなっています。また、Calvin Kleinの公式サイトからSPOTIFYのアプリに直結することも可能です。
プロモーション背景に写るのは消費者と広告の壁
今回のプロモーション背景に至った経緯について、Calvin Kleinのマーケティング部門部長のメリッサ・ゴールディ氏は、以下のように述べています。
「私たちは、このキャンペーンを通して、従来の広告形態から、現在の私たちのコンテンツとキャストとの境界線を一新させたい」と、述べると同時に「消費者に、他のブランドが、成し得れない私たちブランドの物語を体験してほしい」と明かしています。
さらに、「Calvin Kleinのプロモーションで重要になるのが、他ブランドにないデジタル優先で行う、アプローチです」とも語られています。
ミレニアル世代に人気を誇るキャスティング
起用されたキャストのほとんどはミレニアル世代で、若者に絶大な支持がある歌手、モデル、バイラルスター等がキャスティングされています。長年ファッション業界で活躍される重鎮の姿も見られますが、基本的にはミレニアル世代をターゲティングしたキャスティングだと伺えます。
モデルのケンダル・ジェンナー
(私は、”#mycalvins“で勇ましく立ち向かう)
バイラルスターのキャメロンダラス
歌手のジャスティン・ビーバー
(私は、#mycalvinsで自分自身になれる)
プロモーションの反応は?
Instagram(インスタグラム)には、30万件にも上る#mycalvinsのタグとともに、一般ユーザーからの投稿が行われるなど、異様な盛り上がりを見せています。特に、ファッションに敏感な若者を中心に、Calvin Kleinのアイテムを着用してSNS投稿する様子が多く見受けられます。
(今日、私は、人生の大切な局面を#mycalvinsとともに迎えたわ)
(だってこの景色がまた見たかったの!)
ユーザーコンテンツを収集し盛り上がりを可視化
また、Calvin Kleinの公式サイトには、キーワードを用いたタグ投稿を集めたフォトライブラリーがあり、選ばれた一般ユーザーの写真を閲覧することができます。主に、Instagram、Twitter、Facebook等を連動させて拡散が行われているようです。
I___in #mycalvainの空白に入る文字、move/live/dream3種類のキーワードから選択し、写真を閲覧することができます。
さいごに
今回は、ミレニアル世代を意識し、デジタルを中心にプロモーションを手がけているCalvin Kleinをご紹介させていただきました。音楽アプリとのタッグ、内容を重視したSNS投稿や旬なセレブをモデルとして起用するなど、柔軟なプロモーションとなっています。加えてミレニアル世代の興味を引きつけるコンテンツや内容が、今回Calvin Kleinのプロモーションにとって、最大の強みと言えそうです。一般ユーザーを巻き込み、企業と消費者の距離を近づけたプロモーションの成功例といえるのではないでしょうか。
Text:Sarah Owie