NYでは、無料Wifiを提供するキオスクをいたる場所に設置する「LinkNYC」というプロジェクトがあります。そのデジタルサイネージを活用し、賃貸情報サイト「StreetEasy」は、8週間に渡ってプロモーションを実施しました。
StreetEasyは最寄りの物件情報を、通行人に対して、デジタルサイネージで発信しました。不動産業界でLinkNYCと協業する企業は、このStreetEasyが初めでです。2006年に設立して以来、オンラインを主軸に事業を展開してきたStreetEasyが、デジタルサイネージを活用した狙いとは一体どこにあるのでしょうか。
Wi-Fiスポットを張り巡らすプロジェクト「LinkNYC」
LinkNYCとはニューヨーク市と民間企業のコンソーシアムCityBridgeが協業して推進するプロジェクトです。2024年までに無料Wi-Fiスポットをマンハッタン全土に広げると言われています。
スマートフォンが普及した現在において、使われていない電話ボックスをWi-Fiスポットタワー(別名Link)に改修。最終的には7,500のWi-Fiスポットタワーを設置予定で、世界最大級のWifiスポットゾーンが誕生することになります。現時点(2017年4月時点)で728か所にWi-Fiスポットタワーが設置されています。
Wi-Fiスポットタワー「Link」の機能
まず、Wi-Fiスポットタワー「Link」の機能についてご紹介します。
Wi-Fiスポットタワー「Link」は無料のWi-Fiスポットとしての機能のみならず、デジタルサイネージ、タッチスクリーンでマップ・市内ガイドの利用、米国内への無料通話、緊急ボタン、USB充電ポートを備えています。また、Wi-Fiの速度に関しては通常の公共Wi-Fiと比べて100倍以上速く、非常に便利なWi-Fiスポットです。
Wi-Fiスポットタワーにはデジタルサイネージが備え付けられていて、このデジタルサイネージへの企業広告の掲載料によって運営費を捻出しています。
立地に合わせて物件情報を発信
これまでオンラインを主軸に事業を展開してきたStreetEasyは近年、オンライン広告だけでなく、地下鉄での屋外広告などの、リアルな広告にも力を入れ始めています。
今回のWi-Fiスポットタワー「Link」ではデジタルサイネージの立地に合わせた物件情報を発信しています。たとえば、マンハッタン区ブロードストリート○○番地に設置されているLinkでは、デジタルサイネージでそこから近い物件の最新情報(値段、広さ、大まかな住所)を発信します。
さらに、Wi-Fiスポットタワー「Link」の広告の物件を見た通行人がその物件情報をより詳しく知りたいと思った場合、高速インターネットのWi-Fiで、すぐにStreetEasyのアプリをダウンロードする、もしくはStreetEasyのWebサイトを見ることで、掲載されている物件情報を全て閲覧することができます。
エリアに紐付いたデジタルサイネージの活用
生活圏内に設置されているデジタルサイネージに、近くのアパート物件が表示された場合、ユーザーが物件に興味を持つ可能性は高いのではないでしょうか。
賃貸情報サイトは、競合サービスの多い市場です。StreetEasyはWi-Fiスポットタワー「Link」を活用し、エリアに紐付いたたプロモーションで、他社との差別化に取り組みました。エリアに紐付いたデジタルサイネージの活用に、今後も注目です。
Main Photo by StreetEasy Blog