2017年2月22日、写真撮影用の機材やマネキンの販売を行うオランダの企業StyleShootsは、プロのカメラマンを必要とせず、自動でファッション撮影をしてくれるロボットフォトスタジオ「StyleShoots Live」の販売・リースを開始すると発表しました。
今、世界中のファッションブランドがStyleShoots Liveに注目を寄せています。StyleShoots Liveの利用方法と注目を集めている背景をご紹介します。
およそ半分のスペースで撮影が可能
前述したように、スタジオで行う従来のファッション撮影では、ライティングやズームなどをプロのカメラマンが手動で行っていました。しかしStyleShoots Liveはそれらの作業を自動で行います。
StyleShoots Liveは高さ2メートル94センチ、幅3メートル19センチ、長さ5メートル54センチ。通常のスタジオでのファッション撮影に必要なスペースに比べて半分ほどの大きさです。このサイズならスタジオを借りずとも、社内に置く場所を確保できそうです。
StyleShoots LiveはStyleShootsのソフトウェアを動作させるためのApple Mac Proを内蔵しています。また、ライティング用のLEDパネル、3Ⅾ深度センサー、カメラのCanon EOS 1DX Mk II 、iPadが設置されており、iPadが撮影のコントローラーとなります。
Canon EOS 1DX Mk II は2020万画素(有効画素)の写真撮影、4Kでの動画撮影(ファイル形式MOV/MP4)が可能です。Canon EOS 1DX Mk II は単体で買うと50万円以上する高性能カメラです。
iPadでライティング、ズームコントロールを行います。
背景の色を変えることもできます。
画面上に演出の追加も。
スタイリストとモデルで協力してポーズを決めます。
iPadで撮影した写真を確認しながら撮影を進めることができます。
iPadで撮影した写真一覧を確認できます。ライトニングやポーズが上手くできているかが一目瞭然です。
StyleShoots Liveなら同じ場所で写真と動画を撮影出来ます。
コンテンツ制作を より早く安く
コンテンツマーケティングが全盛の昨今、ファッションブランドはユーザーに届けるための写真・動画コンテンツを常時制作する必要性に迫られています。
コンテンツを届ける媒体も、雑誌やTV広告だけだった時代に比べてWebサイト、Facebook、Twitter、Instagram、Snapchat等のSNS、デジタルサイネージなどの登場で多種多様になりました。それぞれの媒体に必要なコンテンツのフォーマットは異なり、ファッションブランドはコンテンツの制作・配信のために、人件費を含む多大なコストや時間を費やしています。ファッションブランドにとってこれは1つの課題となっていました。
その課題を解決するのがStyleShoots Liveです。StyleShoots Liveは撮影にカメラマンが不要。さらに撮影した写真・動画コンテンツを自動でそれぞれの媒体のフォーマットに編集してくれるため、即座に配信ができるのです。
ファッションブランドが導入を開始
2017年3月8日、25ヵ国に店舗を展開するファションブランドGarcia JeansはStyleShoots Liveを購入しています。
Garcia Jeansはこれまで写真・動画のコンテンツ制作コストを削減する手段を検討してきました。今回、その手段としてStyleShoots Liveを採用。コスト削減のみならず、コンテンツ制作から配信までのサイクルを早くすること、さらにはコンテンツの品質を高める狙いもあるようです。
購入する価値は十分にある?
StyleShoots Liveを利用したい場合は購入もしくは2年単位で借りるリース契約となります。
長期にわたってプロのカメラマンへ撮影を外注したり、雇用したりし続けるコストを考えると誰でも簡単に操作のできるStyleShoots Liveを購入する価値は十分にありそうです。何よりもコンテンツの重要性が高まっている現在において、さまざまな媒体のフォーマットに合ったコンテンツをいち早く配信できるメリットは大きいのではないでしょうか。