360°動画、360°写真が多くの業界において、活用され始めています。たとえば不動産業界。ユーザーは実際に物件に足を運ばなくても、上下左右前後に見渡せる360°動画、360°写真で、よりリアルに物件の状況を知ることができます。
今回は、スポーツ観戦やライブ鑑賞のチケット販売に、360°写真を活用する試みについてご紹介します。米国拠点のチケット販売サービス大手Ticketmaster(チケットマスター)が、360°動画、360°写真の作成サービスを提供するIOMediaと協業し、席からの実際の眺めを360°写真で見ることができる機能「Virtual Venue」をWebサイト、アプリに実装しました。「Virtual Venue」は「実際の席からの眺めがどんなものか分からないし、どの席がいいか判断できない」そう思っているユーザーの悩みを解決します。
ユーザーフレンドリーな機能改善を
従来のスポーツ観戦やライブ鑑賞のチケット販売サイトでは、会場の席の位置を示す2Ⅾマップしか提供されておらず、ユーザーはチケットを選択、購入するしかありませんでした。
Ticketmasterはこれまで、2Ⅾマップではあるものの、マップ上の席をクリックしてマップから直接、席のチケットを購入できるようにし、ユーザーフレンドリーなWebサイトを構築してきました。
2011年には、WebサイトとFacebookを連動させ、Facebook上の友達が同じ会場の席のチケットを既に購入していた場合、その席の位置が表示されるようにするといった、機能も実装。多くの機能改善を実施してきました。
今回の「Virtual Venue」はCADデータ、実地調査、写真に基づいて実物そのものの3Ⅾワイヤーフレームを生成。会場の看板、照明などそのまま再現しています。
360°写真閲覧機能「Virtual Venue」利用の流れ
360°写真閲覧機能「Virtual Venue」利用の流れをご紹介します。例として5月22日ヤンキーススタジオで行われたニューヨークヤンキース対カンザスシティロイヤルズの試合の席を「Virtual Venue」で選んでいきます。
2Ⅾマップ上のセクションにカーソルをかざすと眺め(オーバービュー)を見ることができます。ただ、この2Ⅾマップから360°写真は展開できません。360°写真は右側の最安価格、最高価格の席を閲覧するカテゴリーにおいて、個別の席番号をクリックすると展開できます。
今回は最高価格の、バッターボックスの後ろの席からの眺めを360°写真で見てみます。
クリックすると360°写真で見ることができます。
席の左側、右側の眺めも動かして見ることができます。
また、席の後ろ側の眺めも見ることができます。実際にユーザーがチケットを購入して席に座った際に、「思っていた眺めと違った」「思ったより遠かった」などという失敗を防ぐことができます。
Ticketmasterの360°写真閲覧機能「Virtual Venue」は現在、北米とオーストラリアの110の球場やコンサートホールを対象としており、利用が可能です。今後、利用可能な対象もさらに充実させていく予定です。