こんにちは、石井リナです。
世界最大級の音楽フェスティバルといえば、マイアミ発の「ULTRA MUSIC FESTIVAL」(ウルトラ・ミュージック・フェスティバル)があります。そこで出展されていた企業ブースが好事例だったのでご紹介したいと思います。
同ミュージックフェスティバルは、世界19カ国で行われており、韓国で行われた「ULTRA KOREA」(ウルトラコリア)に関しては3日間で合計15万人が来場し、華美な演出と音楽で熱狂に包まれました。
ちなみに、韓国では、日本より決済関連のサービスが進んでいます。今回の「ULTRA KOREA」でも公式のT-Money(ティーマニー)と呼ばれるICカードを使って、飲食やグッズなどの支払いを行います。コインなどの出し入れに手こずる必要もなく、また外国人にとっても分かりやすい決済方法なので、この様な巨大イベントにおいても、長蛇の列を回避することが出来ます。
また、今回会場となったのは、以下の様なスタジアムです。
屋外ステージの移動部分は、コンクリート打ちっぱなしのエリアとなっており、寂しい印象があったのですが、今年は空間を上手く活かされた演出がしてありました。
アメリカのコスメティックスブランド「Urban Decay」(アーバンディケイ)が約100メートルほどの特設会場を用意していました。ブースのコンテンツ内訳は、メイクアップのタッチ&トライブース、美容部員によるメイクアップをしてもらえるブース、セルフのメイク直しブース、フォトブース、と数多くのコンテンツが、盛りだくさんで用意されていました。
メイクアップのタッチ&トライブース
このブースでは実際にUrban Decayの商品を手にとり、自分自身で試すことが出来ます。
美容部員によるメイクアップブース
このブースでは女優ミラーと呼ばれる様なしっかりとした鏡が用意され、美容部員のお姉さんたちによるメイク直しが出来たり、レクチャーを受けることが出来ます。
メイク直しのセルフブース
鏡張りのスペースを設置しており、ささっと自分でメイクを直せる様なブースを用意しています。
フォトプリンターの設置されたフォトブース
また、SNSに投稿してもらう施策もしっかり用意されており、この様なフォトプリンターも設置してあります。指定のハッシュタグを付与してSNSに投稿すると次から次へとプリントアウトされ、以下のようにボードに貼り付けられます。その中から、自分が投稿したものを選択して持ち帰るという施策でした。
フォトジェニックなアートポイント
ペイントされていて、ライティングもされているこの空間で写真を撮ってSNSに投稿する女の子も多く、若い女の子から好まれるコンテンツになっています。
企業の出展ブースはコンテンツであるべき
お金がかかっているのはもちろんのことですが、今回のUrban Decayの出展ブースの素晴らしいところは、この出展ブースが、きちんとコンテンツになっている点です。広告、協賛などのイメージがあるブースは、よっぽどのメリットがなければ、参加者は寄り付かないかと思いますが、今回の出展ブースは「ULTRA KOREA」の1コンテンツとなり、ユーザーに楽しまれる空間を作っていました。その点が出展ブースとして優れている点ではないでしょうか。
その時のテンションとニーズを想像する
また、音楽フェスティバルという、汗をたくさんかくイベントに、化粧直しのスポットがたくさんあるのは女性参加者にとって喜ばしいことです。席に座って美容部員の方にきちんと直してもらえるブースもあれば、自身でさっと直せるブースもあり、様々なシチュエーションを想定して制作されたブースだったのではないでしょうか。落書きの様なペイントでフェスらしく演出された鏡張りの空間など、その場のユーザーのテンションを上手く想像していると思います。
体験してもらいたいプロダクトやサービスなどを一方的に押し付ける企業ブースを作るのではなく、その時のユーザーのテンションやニーズを良く理解した上で、「自然と求められるブース」を作ることが鍵になりそうです。