街中でも見かけることの多くなったデジタルサイネージ。デジタルサイネージをより積極的に、インタラクティブに活用する企業が増えています。
スープが主力商品のユニリーバの食品ブランドKnorr(クノール)が、マーケティングエージェンシーのGoldbach Mediaと協業し、デジタルサイネージとスマートフォンを連動させたプロモーション「Z’nacht isch Soue-Zit!」(ディナーはスープの時間!)を展開しました。このプロモーションは、2012年2月から4週間に渡って、ドイツとスイス西部の小売店に設置されている1万以上のデジタルサイネージを用いて行われました。
マーケティングリサーチのGesellschaft für Konsumforschung社が実施した調査によると、25%の回答者が小売店舗でクノールの広告を見た、また、23%の回答者が広告を見た後にクノールの商品を購入したと回答するなど、効果の高いプロモーションとなりました。
デジタルサイネージとスマホが連動したクイズ
プロモーション「Z’nacht isch Soue-Zit!」(ディナーはスープの時間!)では、スマートフォンの位置情報を活用しています。デジタルサイネージ付近にいる、ユーザーのスマートフォンに広告を表示し、ミニクイズへ誘導します。
【ミニクイズ問題】「スイス人は毎日、何分間食事に時間をかけているでしょうか?」
【回答選択肢】①31分②108分③179分
ユーザーはスマートフォンで回答を選択することができます。
回答をタップすると、スマートフォンとデジタルサイネージに正解「108分」と表示されます。
クイズの後にはクノールのスープの広告が流れます。テレビのCMに近い広告となっており、Brot=パンを切っているシーンが流れます。
クノールスープのパッケージが登場。
画面いっぱいにスープが映し出されます。
「Z’nacht isch Soue-Zit!」(ディナーはスープの時間!)、「クリーミー、美味しい、今すぐスープを味わおう!」と表示されます。
スマートフォンでもデジタルサイネージと同様の広告が流れます。
クノールのスープを販売している周辺の店舗を紹介し、購買までの導線をはっています。
待ち時間の暇つぶしになるコンテンツを提供
今回のプロモーションでは、デジタルサイネージはレジ付近に設置されています。レジの順番待ちという時間のあるシチュエーションで、暇つぶしとしてクイズに答えてもらうという狙いがあったからです。
動きのある広告を表示できるデジタルサイネージといっても、単に設置しただけでは、ユーザーの関心を引くことは難しいでしょう。とりわけポップや商品などが溢れている小売店舗においては、特に、ユーザーの関心を引く工夫が求められます。見てもらい、実際に体験してもらえるような、インタラクティブなコミュニケーションを考えることが重要だと言えるのではないでしょうか。
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