画像:TOPSHOP Youtubeより

仮想現実(virtual reality)を指す、「VR」。VRは、コンピュータによって作り出された、現実とは異なる3次元的なバーチャル世界を体感する技術のことを指します。最も有名なのが、頭部に視界を完全に覆う「ヘッドマウントディスプレイ」を用いて、バーチャルな世界を体感するという手法です。

このVR技術には、完全に人工的に生成された空間を用いるものと、現実世界の音声や映像をコンピュータに取り込んで利用する2種類のタイプがあります。2016年は「VR元年」とも言われ、リアルイベントなどにも積極的に用いられ注目を浴びています。

英国の投資銀行Digi-Capital(デジ・キャピタル)によると、2016年におけるVRとARを合わせた世界ビジネス規模は約50億ドルとなる見通しです。また、2020年には1500億ドル規模に拡大すると言われ、VR関連のビジネスの売上高は300億ドルと今後の拡大が多いに期待されています。近年のリアルイベントにプロモーションの一環としてVRを用いた事例をもとにVRの可能性に迫っていきたいと思います。

1.TOPSHOP

まず、はじめにご紹介するのは、イギリスを代表するファストファッションブランドのTOPSHOP(トップショップ)のプロモーション事例です。

オックスフォードストリートにある旗艦店にいながらも、VRを用いたTOPSHOP UNIQUEコレクションのファッションショーのライブ配信を楽しめるという内容のもの。ユーザーは、首を動かすことで360°、自らの意思で自由に歩き回ることができ、ショーのランウェイだけではなく、バックステージの様子もライブで楽しむことができます。またVRの映像上に、ショーに関するライブツイートが落ち葉と一緒に降り注ぎます。このような、デジタル特有の仕掛けとの融合はVR技術ならではの演出です。

2.Pepsi Cola


続いては、「ペプシストロング ゼロ」の発売を記念して原宿で行われた「PEPSI STRONG BAR」(ペプシストロングバー)をご紹介します。

本イベンントは、「”ペプシ最強の刺激”を最大限に楽しめ!」をコンセプトにCMの世界観を360°楽しめるという内容です。具体的には、ウェアラブルデバイスを装着して、足元のフットパネルと画面が連動することでCMにも登場する鬼とバーチャルな刺激的な鬼ごっこをゲーム感覚で体感できます。鬼を振り切ったゴール後には、実際に「ペプシストロング ゼロ」を味わうことができペプシ最強の刺激も楽しめます。最先端技術と一緒に自社の製品をうまくアピールしている事例です。

3.横浜DeNAベイスターズ

横浜DeNAベイスターズは、スマートフォンブランドGalaxy(ギャラクシー)と協業し、スタジアム内にVR体験できるブースを設置及び、球団オリジナルの360度映像コンテンツを制作しました。

ユーザーが自由に試合を見渡せることができ、バッターやキャッチャーなどの普段では決して見ることのできない目線からも観戦できるのが特長となっています。動画コンテンツは、球団HP等でも公開され、球場に足を運ぶことができないファンもウェアラブルデバイスを身につけると、その場にいるかのような感動を味わうことができます。本イベントは、今までにない新しいスポーツの楽しみ方として注目を集めています。

4.TSUTAYA

TSUTAYA(ツタヤ)が渋谷で実施した、360°ホラー体験ができる「365 horror」をご紹介します。本イベントは、VRを通してホラーを楽しむことができ、心拍数の変化に応じてクーポンがゲットできるという内容です。

オキュラスリフトで視界を完全に覆うのと同時に、ヘッドホンも装着することでよりホラーな体験ができるのが特徴です。また、心拍数を測ることにより恐怖が視覚化される点ものも興味深い点です。本イベントは、野外で開催され、会場の周りに瞬く間に人が集まりました。実際に体験しないとコンテンツの中身見ることができないため、通行人の興味を最大限かき立てらるような施策ではないでしょうか。

5.MERRELL

最後にご紹介するのは、登山靴などのアウトドア製品を販売するMERRELL(メレル)のプロモーションです。実際に登山靴を履き、VRを通して登山のスリリングなシチュエーションを体感できるという内容になっています。

登山や大自然を歩くことへの興味を持ってもらおうと、普段なかなか経験できないような吊橋や細道、岩山や断崖絶壁などを体感することができます。実際に使ってもらうと同時に、ユーザーに楽しんでもらうことで購入につなげられるユニークな企画となっていました。

まとめ

いかがだったでしょうか。2016年は、「VR元年」と言われるようにVR技術を生かしたプロモーションは様々な場面で活用されています。VRは現在主流な写真や動画では伝えきれない、臨場感をユーザーに与えることが可能です。この技術を用いたプロモーションは、企業のメッセージをユーザーに「体感」してもらうことができるという点で有効な手段ではないでしょうか。

また、通行人をも巻き込む、体験していない人をも巻き込むという点にも施策のしがいがありそうですが、今後のVRを活用した企業事例もチェックしていきたいと思います。

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Sarah Owie
Post Author

Sarah Owie

ファッションマルチエディター志望の1994年生まれ。現在カナダの大学を休学中。ファッション系ウェブメディアでのライターや、ライフスタイル系キュレーションメディアのキュレーターとしても活動中。ひそかに自身のインディペンデントマガジン発行に向けて日々邁進中。