Instagram(インスタグラム)が一部の国で先行導入していた「コンタクトボタン」が、日本を含め全世界で導入されることになりました。「コンタクトボタン」とは、そのアカウントの連絡先が表示されるボタンのことで、海外では「コンタクトボタン」と呼ばれています。
連絡先はユーザー自身で設定することができ、メールアドレスや電話番号の他に、店舗のアカウントであれば道順を設定することができます。また、Facebook(フェイスブック)のビジネスアカウントと連携することで簡単に登録が行えるようになります。導入された海外で、企業やインフルエンサーがこの機能をどのように活用しているのか、ご紹介していきます。
企業・ショップ編
Starbucks Coffee(スターバックスコーヒー)
スターバックスコーヒーの公式アカウントでは、コンタクトボタンにメールアドレスを登録しています。メールと表示された部分をタップすると、直接スターバックスのメールアドレスが入力されたメール送信画面を開くことが出来ます。
SHAKE SHACK(シェイクシャック)
日本に上陸したことで話題となったシェイクシャックもコンタクトボタンを導入。シェイクシャックではメールアドレスの他に、道順を設定しています。
「道順を表示する」をタップすると地図が開かれます。ここでは、シェイクシャックの本拠地であるニューヨークが表示されました。道順の表示には、特定の店舗へのリンクだけでなく、特定の都市や地名にリンクを貼ることが出来るようです。
For Love & Lemons
ファッションブランド、For Love&Lemonsのアカウントでは、上記までの「メール」、「道順を表示」に加えて「電話する」があります。
For Love&Lemonsでは道順にロサンゼルスを設定しています。
また、「電話する」をタップすると、For Love&Lemonsのカスタマーサービスの電話番号が表示されました。インスタグラムのトップページに電話番号が載っていることで、ネットで番号を検索する手間が省けますし、インスタグラム上の商品について問い合わせたくなった場合にもすぐにコンタクトが取れるので便利です。
City Bakery
日本に上陸し、店舗を複数展開しているCity Bakery。こちらはニューヨーク店のオフィシャルインスタグラムアカウントです。コンタクトボタンには、道順、電話、メールが設定されています。
こちらのアカウントが秀逸なのは、電話番号と道順が店舗のものを設定している点。このアカウントを見て、City Shopの店舗に行こうとしたユーザーは、コンタクトボタンから地図開いて店舗に行けるので、ネットでわざわざ地図を調べるという手間が省けます。また店舗に問い合わせたい場合も、コンタクトボタンから直接お店に電話をかけることができます。実店舗のアカウントでは、このように地図と電話番号を設定することで、ユーザーの来店への導線をシームレスに引くことができます。
インフルエンサー編
Huda Katten(ビューティー系インフルエンサー)
Kayla Itsines(ワークアウトブログラムのトレーナー)
海外の多くのインフルエンサーは、コンタクトボタンにメールアドレスのみを設定しています。設定することで、国内外問わずインフルエンサーのプロフィール欄に多く見られる「お仕事のご依頼はこちら <メールアドレス>といった表記をする必要がなくなります。
Makaia Carr(ウェブサイトMotivate Meの創設者)
Christine Andrew(
ファッションサイトHello Fashionの創設者)
前者のMakaia、後者のChristineともに自身のウェブサイトを運営しており、道順には彼女たちの活動の拠点としている地域がリンクされていました。インフルエンサーが自身の活動領域を明示することという意味で、Map機能を追加しているのだと伺えます。
気になる日本での導入事例は?
Tastemade Japan(テイストメイドジャパン)
おしゃれなレシピ動画で人気を集めているTastemade Japan(テイストメイドジャパン)はいち早くコンタクトボタンを導入しています。連絡先にはメールアドレスが設定されています。
Sun-Kissed Box(サンキスドボックス)
カリフォルニアからの毎月「お楽しみボックス」が届くサービスを提供するSun-Kiseed Boxも、コンタクトボタンを導入しています。Sun-Kissed BoxはTastemade Japanと同じく、メールアドレスのみ設定しています。日本ではまだ導入企業が少ないですが、個人ショップなどは導入するデメリットも少ないため、導入が増えていくことが予想されます。
さいごに
コンタクトボタンの登場で、各アカウントの連絡先へシームレスにコンタクトを取ることが可能となりました。コンタクトボタンは企業・ブランドの公式アカウントや店舗のアカウント、インフルエンサーと、広く活用できるものです。活用方法は多岐に渡りますが、特に店舗のアカウントで「道順」と「電話番号」を設定することは、ユーザーの来店を誘導させるのに非常に効果的です。
また、日本でも多くのインフルエンサーがプロフィールに「お仕事の依頼はこちら」という言葉とともに、メールアドレスを表記しています。コンタクトボタンを追加することで、そのような但し書きをする必要がなくなり、仕事のコミュニケーションもスムーズに行えるというメリットがあります。企業、個人どちらにしてもメリットの大きいコンタクトボタンの機能実装は、今後増えていくことが予想されます。
Text:里見 香麟
Edit:新國 翔大