日本でもおなじみのブーツブランド「HUNTER」が、Instagram Stories(ストーリーズ)を使ってプロモーションを実施しました。Instagramでストーリーズの提供が始まってから早くも3カ月が経過。多くの企業がInstagram ストリーズを使ってプロモーションを実施しています。
その中でも、最近目に留まったのが、HUNTERのストーリーズ。その理由は、「見せ方」が他のブランドとは異なっているからです。では、その見せ方とは一体どういうものなのでしょうか?
まず、HUNTERのロゴからストーリーズは始まります。今回ご紹介するInstagram ストーリーズは、静止画と動画が組み合わさっています。
そして、その次には1人の男性が紅茶を飲んでいる様子の動画が現れます。
“Hunter Weather Channel (ハンター天気予報)”
“Live From London, England (イギリスのロンドンから生中継)”
そして、次はスタジオでの様子が写ります。日本地図には、晴れのマークばかりです。この次は、ジュージューと焼ける目玉焼きの映像です。この焼ける音が、暑さを連想させます。
”Over to the studio (スタジオにお返しします)”
“What’s all this? (いったいなんてことだ)”
“It’s too hot (熱すぎます/暑すぎます)”
次にくるのは、思いついたことを連想させる電球のスタンプと男性と日本地図が映り、晴れマークを雨マークに変える様子が。
“Job done (これで完成)”
そして、あひるの映像が流れて、男性があひるを抱えているシーンに変わります。
“Lovely weather for ducks! (あひるにとってはいい天気!)”
最後には、ハッシュタグが付いた言葉の映像と、メッセージの映像が流れます。
“#RainStartsPlay”(#雨も楽しもう)
“Tune in tomorrow, live from the Big (明日も見てね、ビッグから生中継です)”
次は翌日のストーリーズです。まず、男性が日本を連想させる服で登場します。そして、前回のようにスタジオに戻ります。今回は、ロンドンではなく東京から生中継という設定です。
“Hunter Weather Channel (ハンター天気予報)”
“Live from Tokyo, Japan (東京から生中継)”
ここでは、男性が雨でないことにがっかりしています。
“Bye 日差し”
すると、HUNTERのレインコートに身を包み、傘をさした男性が登場します。なんと、そのスタジオでは雨が降り出します。
“雨 ready (雨の準備万端)”
ユーモア溢れるHUNTERのストーリーズですが、ポイントは以下の3点です。
1.ストーリーズ専用の動画を制作する
よくある事例として、自社プロダクトやサービスの紹介をする活用方法があげられます。しかし、HUNTERは明らかにそれらの事例とは異なります。HUNTERのストーリーズを見る限り、ストーリーズのためのコンテンツを作っていることがわかります。
多くのリソースを割き、ストーリーズ専用のコンテンツを用意しているブランドはまだまだ少ないですが、印象に残るような映像の配信が、エンゲージメントを深めると言っても過言ではありません。
2. 商品の押し売りはしない
購買に繋げるためには、プロダクトの紹介をした方がよいと思われますが、SNSにおいてはアカウントをきちんと見てもらう状況を作り、エンゲージメントを高めることが重要です。今回のHUNTERのストーリーズは、まず面白いと思われるコンテンツを提供することが第一となっており、プロダクトの紹介は一切していません。押し売りをするとユーザーが離れていく恐れもありますが、今回のストーリーズはそうしたことをせず、アカウントを見てもらう状況を、まずは作ろうとしている好事例です。
3.一部のユーザーに振り切って密なコミュニケーションを
今回ストーリーズを投稿したHUNTERのInstagramアカウントはグローバルアカウントです。そのため、通常の投稿は全て英語で、全世界に向け情報を発信しています。
しかし、2日目のストーリーズでは、東京にフォーカスし、日本語も交えながら情報発信をしました。グローバルアカウントであるにも関わらず、24時間のみで消えるという手軽さを活用し、一部のユーザーと密なコミュニケーションを図った事例です。HUNTERファンの多い日本に対して、さらにエンゲージメントを高めるための施策とも言えるでしょう。
マーケターのみなさんも是非HUNTERのInstagramストーリーズを見ながら、運用の参考にしてみてはいかがでしょうか。
Edit:RINA ISHII