今年の6月初めに、海外を中心として一本の動画がSNS上に投稿されました。その動画は、TwitterやFacebookで次々とシェアされていった注目の動画です。動画のスケールの大きさ、サウンドや映像のクオリティーの高さから、誰が何のために作ったものなのか、視聴者の間で注目を集めました。

記事を読み進める前に、まず動画を一度体験して見て下さい。スマートフォンでしか見れない為、是非スマートフォンでご覧ください。

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動画よりスクリーンショット

動画に移動する方はこちら   

MVをインタラクティブビデオで表現

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AWWWARDSより

この動画は、インタラクティブ・ビデオと呼ばれています。インタラクティブ・ビデオとは、ユーザーが動画と一体化しながら、ストーリーを操る事が可能な“視聴者参加型”の動画を指します。今回の動画はリニア・フォーマット(説明)と呼ばれるものもしくは、マイクロサイトに搭載した携帯デバイスで、実際に視聴者が操作し、体験しながら進むといったものです。

動画自体は、ドイツ人ラッパーKontra K(コントラ・ケー)のシングル“Next to you”のミュージックビデオの為、UNIT9(ユニット9)と呼ばれるロンドンのクリエイター集団によって制作された動画です。動画の雰囲気や、映像のクオリティーから見ると、これは映画?ゲーム?と錯覚してしまうほど、壮大なストーリーを展開していくミュージックビデオとなっています。

動画は、公開されてまだ2ヶ月ほどですが、CSS(国際的なWEDデザインアワード)で賞を受賞、並びに各デザインアワードを総なめにしている注目のミュージックビデオです。

現在と過去が同時進行する体験型コンテンツ

動画は、ストーリー形式で展開されいます。そして、物語は、現在・過去の2つの視点から構成されています。インタラクティブ性に富んでいることもあり、現在または過去のどちらのストーリーで映像を進めていくのか、を自ら画面操作を行って決めることが出来ます。

2つの視点から構成されているこの動画は、同時に2つの動画をみることはできず、画面上で操作を行って2つの動画を進める必要があります。画面にタッチ(PCの場合は、スペースキーの長押し)で、過去の動画にシフト、現在の方にシフトしたい場合は、画面を操作せずに動画を進めてゆきます。

さらに、この動画の特徴は、エンディングパターンが全5種類存在します。動画に隠されたヒントを元に、視聴者は、5パターンあるエンディングの中で、ストーリーをどう展開していくかを選択することが可能です。そして、ストーリー中でヒントとして活用されるサウンドウェーブは、実際の音楽のビートをそのまま視聴者が感じられる、という作り手の遊び心がある仕組みとなっています。

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AWWWARDSより

*白い波のようなものがサウンドウェーブです

タッチする時間でストーリーが変わる

このインタラクティブビデオは、進め方次第でたどり着くエンディングは全て違います。今回は、実際にどのように操作をしていくのか解説を交えあがら、ご紹介していきます。操作の際の、言語は英語をはじめとした、言語を動画内で操作できますが、日本語は選択できません。記事後半では、画面操作に関する紹介をさせていただいています。

まずはじめに、サイトやリンクから移動した際のロード画面に、一番はじめに写し出される画面には、「全ての証拠を当て、釣り人を助けだし、何が起こっているのか見つけ出しなさい」と表示されています。

このままローディングが完了すると、以下の画面が表示されます。

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画面右下には、スペースバーを押してスタートと表示されています。長押しをして画面にローディングに切り替えると、動画がスタートします。

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ローディングが終了すると、動画がスタートし、ボートに乗った男性が映りはじめます。

この時には、すでに、過去・現在に合わせた、ストーリーが展開されています。画面にタッチ(もしくは、スペースキーを押す)すると、過去の映像を見ることができます。

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上の写真では、現在と過去の動画を同時に表示しています。

音楽と共にストーリーが展開されていくと、

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画面に、多数のドットと、サウンドウェーブと呼ばれるものが出現します。この画面は、ストーリーを読み解く「ヒント」とになるものです。サウンドウェーブに合わせて画面をタッチ(もしくは、スペースキーを長押しすると、ヒント5/1となるロゴが出現します。)
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その後、画面には、「1 OF 5/COLLECTED」という文字が表示されます。これは、日本語に訳すと、「5門中1門正解」という意味で、ストーリーのヒントを指していきます。その後、ヒントが4問分表示され、ストーリーが進んでいきます。

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ヒント5を終えると、物語のエンディングが決まっていきます。今回は、ヒントを全て見つけ出すことができたので、エンディングの最後は、#witchhunterというタグと共に、『You have collected 5 of 5 pieces of evidence.(あなたは、5問正解することができました。)』という文字が表示されます。

正解数に応じて、エンディングが変わると同時に、タグの言葉も変わります。今回、エンディング、タグの種類も分類してみましたので、動画再生の際の参考にしてみてください。

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このタグを使って、ツイッター、フェイスブック、で拡散できるので自分がいくつ正解したのかシェアすることができます。

[5問中1,2,3,4門正解の場合]

画面には、#mysteryhunterの文字がと共に、正解の文字が表示させます。

[5問中0問の場合]

画面には、#Fishermanの文字と、正解数が表示されます。

その他の操作に関して

画面左上にある、2本線のバーを選択すると、動画が止まると同時に、以下のような画面に切り替わります。<PROGRESS—進行><LANGUAGE—言語><ABOUT—曲情報><LEAGAL—法>の項目があり、選択すると以下のような画面に切り替わります。曲表示のページには、アルバムを購入できるサイトに飛ぶことができます

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制作したのはロンドンのクリエイター集団「UNIT9」

今回の動画制作には、UNIT9(ユニットナイン)と呼ばれるロンドンのクリエイター集団が製作を手がけています。UNIT9は、フィルム、デジタル、ゲーム、VR、イノベーションのセクションに分かれ、革新的なコンテンツを創るクリエイターとして、世界的に活動の幅を広げている集団です。

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UNIT9公式サイトより

フィルムセクションでは、TVやウェブページ等を開発し、一方デジタルでは、ピクセルやデータ集積の再現化を図っています。更に、ゲームセクションでは、ウェブコンテンツの充実を図る為の開発がされているそうです。彼らのWEBサイトは、洗練されたシンプルな作りながらも、動画をバックグラウンドに用いるなど、彼らの世界観が反映されたサイトになっています。

現在、ヘッドオフィスがあるロンドンを拠点とし、ロサンゼルスにもオフィスを構えています。かなりのワールドワイドな規模での制作活動に注力し、力を伸ばしているクリエイター集団です。

さいごに

ロンドンのクリエイター集団によって手掛けられた、視聴者参加型の新感覚ミュージックビデオは、ユーザー自らが楽しむ事ができる形になっています。視聴者自身が、ストーリーを作り上げていくコンテンツは、音楽とテクノロジーを一体化させ、コンテンツを楽しむという新しい音楽との触れ合い方を視聴者に提案してくれているのではないでしょうか。

まずは、どなたもこのインタラクティブビデオを是非自分の目で試して下さい。絶対に感動するはずです。

Text:Sarah Owie

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Sarah Owie
Post Author

Sarah Owie

ファッションマルチエディター志望の1994年生まれ。現在カナダの大学を休学中。ファッション系ウェブメディアでのライターや、ライフスタイル系キュレーションメディアのキュレーターとしても活動中。ひそかに自身のインディペンデントマガジン発行に向けて日々邁進中。