住む家は、理想の暮らしを考える上で最も重要な要素です。人生で最も長い時間を過ごすであろう場所だからこそ、こだわりを持って選びたい。

 

アメリカンライフスタイルの楽しみ方を提案する人気セレクトショップ「FREAK’S STORE」は、住宅ブランド「LIFE LABEL」と協業し、新築規格住宅「FREAK’S HOUSE」を立ち上げています。なぜセレクトショップが住宅ビジネスに参入するのか?と疑問に思うかもしれませんが、実は非常に親和性が高いのです。

 

「自らが生活体験者として、楽しいライフスタイルを伝えていきたい」と語るディレクターの柴田恭亨さんに参入の背景や今後の展開について伺いました。

 

リアリティを持って「暮らしを豊かにする」ために

―まずはFREAK’S HOUSEのコンセプトを教えてください。

柴田コンセプトは“つながる(=セッション)を楽しむ家”です。住宅の中で家族や仲間、自然とのつながりを感じることができれば、住む人の人生がより豊かになると考えコンセプトメイキングをしました。

 

―アパレルブランドが住宅サービスを提供するのは業界初の試みだとお伺いしています。なぜプロジェクトを立ち上げたのでしょうか?

柴田裾野を広げ、より人々の暮らしに近い住宅領域で事業を立ち上げれば、FREAK’S STOREの「暮らしを豊かにしたい」という想いがよりリアリティを持って感じてもらえると思ったからです。LIFE LABELさんも私たちと同じ想いを持つ企業の一つで、住宅を通じて豊かな暮らしを提案しています。ビジョンに親和性を感じ、何か一緒にできないかと話を進め、今回の協業に至りました。

―初の試みですから、大変なことも多かったのではないでしょうか?

柴田そうですね。FREAK’S STOREは服を販売するだけではなく、私たちの提案する価値観をしっかり伝えるために店舗の内装にもこだわっています。FREAK’S HOUSEも同様に、ゼロベースで建築デザインを行いました。

 

―コンセプトを住宅に落とし込むにあたり、工夫された部分を教えてください。

柴田人と人とのつながり、人と自然とのつながりを大切にしたく、住宅そのものに一体感が生まれるように設計しました。たとえば、庭とリビング、キッチンに境目がないこと。庭をウッドデッキがL字に囲んでいて、自然の中に人々が集えるような空間になっています。

柴田また、庭とリビングを分ける壁一面の大きな窓を開ければ、家の中にいる人、キッチンで料理をする人が緩やかにつながる空間になります。

 

―庭の魅力、リビングの魅力…と切り分けず、それらすべてをつなげているんですね。

柴田そうです。庭は会話が弾む空間を意識していて、それがリビングともつながるようになっています。また、リビングの角が吹き抜けになっていて、ちょうどそこにキッチンがあります。キッチンで作る料理の香りがリビングにも、庭にも届く。そうすれば、自然とそこには会話が生まれます。空間をデザインすることで、人のつながりもデザインできるんです。

柴田他にも、子供部屋から顔をのぞかせればリビングが見えたり、両親が寝ている部屋から庭が見えたり、家族の息遣いがどこにいても感じられるよう設計しました。それぞれのコミュニティーが持つ役割を最大限に演出しつつ、それぞれがその魅力を共有できることがこの住宅の魅力です。

 

5倍のいいねが得られたのは“背景”が伝わったから

―非常に価値観やコンセプトを大切にしているように感じられます。反響は大きかったですか?

柴田リリースして間もないですが、LAIFE LABELさんへの資料請求も、普段の10倍以上いただいているそうです。また、FREAK’S STOREの公式Instagramにも大きな反響がありました。普段の投稿には600前後の「いいね」をいただくのですが、住宅の写真を投稿したところ、3,000「いいね」をいただきました。

 

ー本来は服に興味がある人がフォローしているのだと思います。ファッションと暮らしは親和性が高いということでしょか?

柴田FREAK’S STOREはそもそも、自らが生活体験者として、楽しいライフスタイルをお客様に伝えていくことを使命にしています。もちろんお客様もその考え方に共感しているから服を購入していただいています。住宅の写真には、その想いがより丁寧に描かれていたのではないかと思います。

 

ー大きな反響を呼んだ理由は、ブランドメッセージが多くの方に伝わったからということでしょうか?

柴田そうですね。今回の反響を見る限り、商品にある“背景”や“メッセージ”が重要視されるように消費者の考え方が変化し始めていると感じました。

 

ーFREAK’S HOUSEでは、掲げるコンセプトや柴田さんの価値観を伝えるために何か工夫をしているのでしょうか。

柴田一つ例をあげれば、FREAK’S HOUSEのホームページに私のライフスタイルを公開しています。なぜこの家を選び、どのように暮らしているのか分かれば、お客さんは内覧に行かなくても生活シーンが目に浮かびますよね。これからやってくるであろう未来の暮らしを想像し、そこにはお客さんの頭にしかないストーリーが紡がれていくんです。

 

メッセージのない商品は見向きもされない

ーお話を伺っていて、服と住宅は切り離された領域のようで、意外にも親和性が高いと思いました。

柴田雑誌を例に取ってもらえば分かりやすいと思います。「バッグ特集」と横の視点で切り取るのではなく、「この人が使うバッグ」という“縦の切り口”というか、アイテムを選ぶ軸が重要視されているんです。

 

住宅も服もライフスタイルの中にあるものですから、価値観があればつながってくるんですよね。もちろんFREAK’S HOUSEとFREAK’S STOREの背景はつながっています。つまり、FREAK’S HOUSEに共感してくれる人が増えれば、FREAK’S STOREの商品も自然とリーチ可能な層が広がっていきます。

 

ーなるほど。情報が乱立する時代に価値観を正しく伝えていくのは大変なことだと思いますが、何か大事にされていることはありますか?

柴田提供する側が“熱意”を持って伝えることだと思います。これまでは、商品そのものに興味を持つ時代。しかしながら、現代はモノが溢れかえり、どこのお店に足を運んでも代わり映えしない商品が並んでいます。そんな時代ですから、メッセージのない商品はお客様に見向きもされなくなっています。

柴田逆を言えば、自分たちの軸や伝えたい価値観をリアリティを持って伝えれば、お客様に届くんです。たとえば、店頭に立って商品の背景を丁寧に伝えたり、自分の価値観を明示すると、購入するつもりで立ち寄ったわけでもないのに心を動かされて購入してくださるお客様も少なくありません。

 

ー今後の展開としては、ますます注目を浴びるであろうFREAK’S HOUSEに注力されていく予定でしょうか?

柴田ことFREAK’S HOUSEに関して言えば「一軒家」と括るのではなく、今後はガレージやマンションのリノベーションなど選択肢を広げていければと思います。購入していただいたお客様が発信できる体制も整え、WEB上でも人と人のつながりを作る予定です。

 

ただ、FREAK’S HOUSEだけがメインになることはありません。住宅でも、服でも、私たちが本質的に伝えたいのは「豊かな暮らし」です。その先にあるお客様の笑顔を作ることが使命。そのために、ショップでも、展示場でも、WEB上でも、お客様と一緒に価値ある物語を紡いでいければと思います。

 

 

Interview photo:ENO SHOHKI

 

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オバラミツフミ
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オバラミツフミ

秋田県湯沢市出身。趣味は商店街を歩くことと喫茶店を巡ること。 obaramitsufumi@gmail.com