こんにちは、編集長の石井リナです。ユーザー同士のコミュニケーションはテキストコミュニケーションから、ビジュアルコミュニケーションに移行していると言われています。ビジュアルコミュニケーションやInstagramマーケティングが盛んとなっている現在、時流に乗ったサービスの1つにスマホ写真が簡単に売買できる「Snapmart」(スナップマート)があります。今回はCEOの江藤さんに取材させて頂き、どのようにユーザーや企業が活用しているのか、お話を聞いてきました。
素人感のある写真が集まっていることが強み
石井リナ: まず、「Snapmart」(スナップマート)でできることを教えてください。
江藤さん:Snapmartはスマホ写真の売買プラットフォームです。スマホのカメラロールから写真を選んで出品するだけでお小遣いが稼げちゃうという気軽さがあります。
石井リナ: スマートフォンにフォーカスした理由は何でしょうか?
江藤さん:世の中にスマホ写真が数多く流通していることに着眼しました。相当数インターネット上にあるのであれば、「パッと撮ってパッと売る」という敷居の低さで、流通させることも需要があるのではないかと思いました。
石井リナ: Snapmartの制作理由にはご自身が編集長を務められていた、「kakeru」(カケル)というメディアの運営が大きく関係しているとお聞きしました。
江藤さん:以前「kakeru」というマーケター向けメディアを運営していました。メディア上で使いたいと思う、リアルな写真は、インターネット上にあるのだけれど、権利的に使えないという機会が多くあったんです。なので、一般ユーザーの方々が撮られたナチュラルな写真、作り込まれていない写真を求めている人々も多いのかと感じました。
石井リナ: 私もメディアを運営しているので、写真探しにはかなり苦労します。フリー素材にある写真は綺麗すぎて、リアルな写真は少ないですよね。
江藤さん:Snapmartの強みは1枚100円から購入できるという安さだと思っていたのですが、リアルな写真、素人感のある写真が集まっているというところで選んでもらうことが多いですね。
メディアや広告代理店が写真を購入している
石井リナ: 現在はどのような方たちが、どのような使い方をしているのでしょうか?
江藤さん:幅広いユーザーの方々が利用して下さっているのですが、男性は30代、40代、女性は10代、20代の写真投稿者が多いですね。投稿されている写真はご飯と景色の写真が多いです。人のカメラロールの中を覗いているかのようですよ。
石井リナ: 確かに料理も景色の写真もカメラロールに多くありますよね。購入されている方々はどのような方々なのでしょうか。
江藤さん:購入者は、メディアと広告代理店の方々が多いです。メディアの方ですと、記事内に使いたい画像を探されていて、広告代理店の方だと、SNS広告で利用する写真を探されているケースが多いです。
石井リナ: 広告の中でも、特にSNS広告での需要が多いんですね。
江藤さん:Facebook広告やInstagram広告などのSNS広告では、綺麗すぎる写真だとフィードに馴染まず、広告臭が強すぎるんですよね。一般人の方々が撮影した、よりリアルな写真の方がエンゲージメントが高いこともあり、Snapmartで写真を探される広告代理店の方が多いんだと思います。
石井リナ: 広告のみならず、企業のSNSアカウントで使用する写真を探すのも良いですよね。
江藤さん:あとは、Snapmart内では、縦型写真の需要も増えていますね。アプリ開発などの方々がスマートフォンに埋め込む写真を探しているようなのですが、他の素材サイトだと数が少ないこともあり、出品されるとすぐに購入されてしまいます。
石井リナ: たしかにSnapchatやInstagram storiesなどの縦型動画も増えましたしね。広告代理店の方などはそうした資料作成もしていそうですよね。
フォトコンテストでは2,500枚集まった実績も
石井リナ: Snapmartには「コンテスト」という機能もありますよね。企業はどのように活用できるのでしょうか?
江藤さん:現在は企業の方であれば、Webサイトから登録して、自由にコンテストを作成することができます。優勝者に対して、インセンティブが必要ですが、集めたいお題に対して、写真を募ることが可能です。
石井リナ: 企業主催のフォトコンテストのようなイメージですね。この写真はおよそ何枚くらい集まるのでしょうか?
江藤さん:優勝者に対してのインセンティブが1万円だったコンテストが、最も集まったのですが、2,500枚も集まりました。平均すると800~1,000枚ほど集まっています。企業が主催するフォトコンテストは世の中に多くあるのですがここまでの枚数はなかなか集まらないんです。Snapmartは写真に対してモチベーションが高いユーザーが集まっているプラットフォームなので、多い枚数が集まりやすいんです。
石井リナ: そんなに集まるんですね。企業からの反応はいかがでしたか?
江藤さん:ことりっぷさんで実施させて頂いたのですが、ことりっぷ主催で実施すると集らないような写真が多く集まったと伺いました。既存ファンの方たちに告知して、フォトコンテストするわけではないので、良くも悪くも、違うテイストの写真が集まりやすい環境がありますね。
石井リナ: 新規のファンを作れる機会になるという点は企業にとってもメリットですよね。
個人の能力で稼ぎやすくなる世界へ
石井リナ: Snapmart上のユーザー動向を見て、傾向などはありますか?
江藤さん:「この人の写真だから見てみよう、買おう」というように、人軸でファンがつきやすいという傾向があります。そうしたところをみると、SNSに近い感覚があるのかなと思いますね。
石井リナ: 無作為に写真を探すより、信頼している方から探して、購入したいというニーズは高そうですね。
江藤さん:今後実装する機能なのですが、「ユーザーポートフォリオ」というページを作成する予定です。Snapmartに出品されている写真を集めたイメージです。そのページのURLなどをInstagramなどのTopページにリンクで貼ってもらえれば、より購入率があがるのではないかと思います。
石井リナ: 写真で稼ぐ人たちが増えそうですよね。
江藤さん:海外だとすでに稼いでいるひとたちも多いんですよね。日本でも、PIXTAなどでは年収3,000万円ほどの方もいらっしゃるようです。
石井リナ: その年収は凄いですね。自分の写真を売って、稼ぐ人たちは今後増えていくと思われますか?
江藤さん:何でもそうなんじゃないですかね。個人の能力を世に出して稼ぐ人たちは増えています。イラスト投稿サイトのpixivもそうですし、手芸などの商品を販売するminneや、ノウハウを有料で提供するnoteだってそうですよね。個人が自分の能力や時間を使って、個々として生きていく世の中にはなっているなと感じます。
石井リナ: 確かに、写真に限った話ではなさそうですね。本日はお忙しい中ありがとうございました!
現在はリテラシーの高いユーザーが販売、購入をしているフェーズで、特段トラブルなどもなく、日々出品、購入がされていると言います。メディア運営を経験し、広告代理店にいた江藤氏だからこそ、時流にのった、ニーズのあるサービスを発想できたように思います。メディアや企業の方々は、リアルな写真を求めて、是非覗いてみてはいかがでしょうか。
Interview photo:ENO SHOHKI