こんにちは、石井リナです。

韓国の女の子が5人に1人は使用していると言われているファッションSNS「StyleShare」(スタイルシェア)をご存知でしょうか?立ち上げたメンバーが当時大学生だったということもあり、日本でも話題になりました。日本では2014年から正式にサービスリリースしており、ユーザー数を伸ばしています。

韓国では圧倒的ナンバー1を誇るファッションSNSサービスですが、そのグロースの背景や、韓国と日本のコミュニケーションの違いについて、「StyleShare」のジョンミンさんにお話を伺ってきました。
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StyleShareはInstagram+MERY

石井リナ:まずStyleShare(スタイルシェア)のサービス概要を教えて頂いて下さい。

ジョンミン:スタイルシェアは120ヵ国のFashion People達がトレンド を共有してインスピレーションを受けるプラットフォームとしてファッション分野の中で成長しているモバイルメディアです。韓国では女性の10人の中5人が加入しているモバイルアプリとして、ファッション関連分野では一番多くのコンテンツが作られ消費され拡散されているチャンネルです。メインのユーザー層は20歳~25歳で、性別比率は女子が80%、男子が20%です。累積加入者は230万人にのぼります。

累積加入者数
StyleShare

石井リナ:凄いですね、サービスはどういう内容なのでしょうか?

ジョンミン:簡単にいうと、Instagramの様なSNSサービスとファッション情報を提供するMERYの様な内容が合わさっているものをイメージして貰えればと思います。ユーザー間同士でこのアイテムはどこで買ったよ、などと情報交換をしたり、Q&Aで自分の悩みを相談したりとSNS的な機能もあり、コミュニケーションが活発です。

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StyleShareアプリより

ジョンミン:また、StyleShareの編集部で投稿している情報も充実しているので、雑誌を読むように情報収集している女の子たちも多いです。

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StyleShareアプリより

石井リナ:StyleShareの特徴として、Instagramの様に日常をあげるSNSではなく、洋服や化粧品などの購入場所を教えあうという様な実用的な内容が多いということですよね。

ジョンミン:そうですね。国民性の違いもあると思いますが、韓国人は情報を強く求めているので、Instagramの様にビジュアルを見るというのでは満足しないんですよ。結局その洋服はどこのものなのか、いくらなのかという方が関心が高いんですよね。だから、インスタジェニックと言われる様な飾った写真は少ないです。ある投稿には、後ろに布団が写り込んでいたりもします。(笑)

石井リナ:Instagramの一部で巻き起こっている様な『リア充アピール』も、存在しない世界ってことですか?

ジョンミン:そうですね。プロダクトや実用的な内容が多く、特に「脱毛」や「ニキビ」などのコンテンツもユーザー間では人気のある内容です。この薬がきく、ここのブランドがいい、などユーザー同士で情報のやり取りをよくしています。スタイルシェアは7枚の同時投稿が可能なのでビフォーアフターの写真とかも載せて、こんなに良くなったとかも投稿していますよ。

石井リナ:確かに「脱毛」の話などはInstagramでは投稿できないですよね。日本では@cosmeなどでやり取りしていた様な情報もStyleShareで包括しているということですね。日本人もそのようなコンテンツを投稿しているのでしょうか?

ジョンミン:いえ、日本人はInstagramの脈絡が強く、そのままInstagramに載せられる様な綺麗なモノやコトの写真が多い印象です。

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石井リナ:日本人はそういう部分を晒すことに慣れていないのかもしれないですね。

ジョンミン:コミュニケーションでよく例えているのは、『韓国は土足であがりこむ、日本人は覗く』ですね。韓国はもう少し進もうという気持ちが強く、日本は慎重な感じがあると感じました。

石井リナ:その例え分かりやすいですね!

韓国と日本の相互コミュニケーションについて

石井リナ:また、韓国人と日本人はユーザー同士でも相互にコミュニケーションをとっているのでしょうか?

ジョンミン:日本人でのユーザーはまだ少ないですが、韓国ファッションやカルチャーが好きでStyleShareを始めたユーザーが多いです。StyleShareはフィルター機能があって、国別で投稿を見ることが出来ます。日本人のユーザーは、韓国人のみを表示させるなどして、韓国情報をキャッチアップしているユーザーが多いですね。

石井リナ:私の周りでもStyleShareを使っているのは、韓国ファッション好きが多いですね。

ジョンミン:StyleShareのこだわりとしてもう1点あって、人気フィードというページがあるのですが、そこに掲載されるか否かはフォロワーの多い少ないが関係ないんです。支持されていて、エンゲージメントの高い投稿がStyleShareのアルゴリズムで表示されます。

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石井リナ:そのアルゴリズムは、あるべき姿ですね。

一般ユーザーがインフルエンサーより何より大切

石井リナ:競合のサービスなどはありますか?

ジョンミン:サービス自体が変わった形なのであまり無いんですよね。ファッション系SNSはStyleShareだけです。

石井リナ:競合の追随を許さず、ここまでスケールしてきた背景には何があるのでしょうか?

ジョンミン:一般ユーザーの口コミが大きいですね。

石井リナ:インフルエンサーを活用するとかも無かったですか?

ジョンミン:始めたばかりのとこはもちろん気にしていましたが今は殆どないですね。自然とインフルエンサーも楽しんで利用してくれていた背景はあります。日本だとインフルエンサーを凄く重視していると思うのですが、私たちは一般ユーザーの声を1番大切にしています。毎日アクティブに利用してくれる多くの声がリアルで重要だと思っているので。

石井リナ:その一般ユーザーの声を最大限大切にし、サービスの開発に紐付けてきたという所が支持される理由なんですね。

日本人のプリクラ文化が今の加工ブームに繋がる

ジョンミン:日本独特のカルチャーだと思うのですが、顔のエフェクトや加工アプリって凄い人気ですよね。

石井リナ:そうですね。SnapchatやSNOWは韓国では人気がないのでしょうか?

ジョンミン:人気はありますが、InstagramやTwitterなどのSNSに晒すことは殆どないと思います。仲間うちで遊んで送り合って終わり、だからわざわざ加工アプリで撮影したものをSNSに投稿するという動きはあっても日本よりは少ないと思います。

石井リナ:自分の顔に自信ないとか、そのエフェクトを使ったら可愛いとかそういう発想が日本人だと多いってことになるんですかね?
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Snapchat公式HP SNOWより

ジョンミン:「プリクラ文化」が強いと思いますよ。女子高生のときから、目を大きくする、足を細く長くするのが日本だと普通じゃないですか?ヨーロッパや米国からみてもそれって「カワイイ」じゃなくて「変わってる、不思議」になるんですよ。だから日本に来たら面白がってふざけてプリクラするんですよ。

石井リナ:「自分に自信がない」、「変身願望がある」という若年層の心理に繋がりそうですね。

ジョンミン:スタイルシェアの日本フィードを見てても思いますが、加工なしの顔のほうが普通に自然でカワイイ感じがします。逆にアプリを使いすぎて原型がなくなったりしているので(笑)

感謝祭としてフリーマーケットも開催

石井リナ:リアルイベントでフリーマーケットも運営されていたんですよね?目的や背景はどういう所にあるのでしょうか?

ジョンミン:StyleShareが立ち上がってまだ2年目とかの時に、ある投稿にコメント数が異様についていて、それがフリーマーケットについてだったんですね。そこのコメント内で自分たちでやりましょうかっていう話になっていました。サービスを提供する中、目の届かない場所で問題が起きたら困るのでStyleShare主催でフリーマーケットをやりましょうっていう流れになりました。

石井リナ:ユーザーの行動をキャッチアップして、開催したということですね。また2万人も集客し、盛況なイベントだったそうですね。

ジョンミン: 4時間待ちとかで、待っても入れない方々もいるくらいでした。開催の目的は、ユーザー同士のオフラインコミュニティを作るというのと、「感謝祭」という所が大きいですね。

石井リナ:若い子たちが、オフラインで熱狂出来る場を求めているということは日韓ともに言えることのようですね。本日はありがとうございました!
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韓国の女の子が最もアクティブに利用しているファッションサービスということもあり、若年層の行動や心理を掴むことの出来る取材だったと思います。また、StyleShareは実用的なコンテンツで繋がるリアルなSNSであるという印象が強かったです。

そして指摘されるまで気付かなかったことですが、日本人が加工アプリに執着し、楽しみ続けているということ。その背景にはプリクラ文化が強く根付いているということは、納得せざるを得ない、的を得た話ではないでしょうか。彼女は韓国の若年層コミュニケーションに精通しているだけでなく、日本のファッション業界で働いていたこともあるため、俯瞰して日本と韓国のコミュニケーションの違いを認識していると感じました。

複数の機能を持ったStyleShareですが、日本でも徐々にユーザー数を伸ばしつつあります。彼女たちが提供するサービスを是非チェックしてみて下さいね。

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石井リナ
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石井リナ

COMPASS編集長 1990年生まれ。SnSnapで事業開発を担当し、COMPASSの編集長を務める。新卒でオプトへ入社し、WEB広告のコンサルタントを経て、SNSコンサルタントとして企業のマーケティングに従事。デジタルプロモーションを中心としたライター業や、セミナー講師などとしても活動を広げている。 執筆書籍:「できる100の新法則 Instagramマーケティング」 連載コラム: Webメディア「アドタイ」 #石井リナのゆとりですがなにか