8月22日、YouTube Space は、「旅先」での撮影をテーマにイベントを実施し、H.I.S.の旅する女子に向けたコミュニティ「タビジョ」が参加しました。講座は、旅に持っていく撮影機材を減らし、手軽にスマートフォンで撮影と編集をしようというもの。参加者の取り組み意欲も高く、とても盛り上がったイベントとなりました。
スマホで動画撮影し、編集するために
イベントの初めには、会場である、YouTubeが保有するスタジオ「YouTube Space Tokyo」の施設紹介やYouTubeのミッションなどが共有されました。
ワークショップの中では、6W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・誰に・どのように)を意識した動画制作が重要だということや、編集の手順などが説明されました。実際に使うべき、撮影機材や、撮影アクセサリー、編集アプリなどの細かな紹介や説明もあり、その様子を動画で撮影する参加者も多数。前のめりでワークショップに参加する方々が多く、動画制作への意欲の高さが伺えました。
また、ワークショップ後には参加者同士の交流時間もあり、写真や動画撮影、歓談を楽しむ様子も。
クリエイターが交流できる場所を提供
YouTubeでは、旅という領域だけではなく、様々なテーマで多くのクリエイターに向けてイベントやワークショップを行っています。今回は、グーグル合同会社のシニアストラテジスト武内 啓恵さんに、YouTube Space Tokyoの日頃の取り組みや反響についてなどお話を伺いました。
—多くのイベントやワークショップを開催されているとのことなのですが、どのようなイベントをどのぐらいの頻度で行っているのでしょうか?
武内:イベントと一括りに言っても、大きく分けてトークショー、勉強会や交流会のようないわゆるイベントと、ワークショップの2種類を行っています。
イベントには、現在YouTubeで活動するクリエイターに向けたものと、これからYouTubeを始めてみたい方へ向けたものが含まれます。すでに活動しているクリエイターへ向けのイベントは、クリエイター同士の交流会から、映像制作に関する勉強会のようなものを定期的に実施しています。これからの方に対しては、YouTubeでの動画制作をレクチャーするイベントを、およそ3ヶ月に1回のペースで提供しています。
武内 啓恵さん
ワークショップに関しては、主に現在活動するクリエイターの方に向けて週に2回〜3回の頻度で開催しています。月に何度もいらっしゃるクリエイターもいますね。
—YouTube Space Tokyoでイベントを開催する目的や、イベントにかける想いを教えてください。
武内:YouTube Space Tokyoでイベントを行う際に、我々が掲げているミッションは「学ぶ・つながる・創造する」の3つです。
“学び”に関してですが、一口にクリエイターと言っても様々な人がいます。過去に映像制作を学んでいた方や、映像制作を仕事にしていたプロのクリエイターの方もいますが、中には映像制作のノウハウを全く学んだことがない方もいます。そのような方に対して、学ぶ機会を設けることで、より良い映像を作ってもらいたいと思っています。
また、“つながる”ということに関して、イベントに参加するクリエイター同士の交流を重視しています。自分1人では思いつかなかった企画や、制作できなかった企画も、複数人のクリエイターが集まることでアイディアの幅が広がったり実現できたりします。
イベントで普段しないことをしたり、学び・つながりを通じて、自身の映像制作に幅を持たせ、新たなことに挑戦してもらうことが“創造すること”に繋がると思っています。また、YouTube Space Tokyoには、最先端技術を搭載したカメラや、定期的に入れ替わるセットなど、普段なかなか使えない設備を数多く用意しており、それらを活用した体験会も行っているので、新しい動画作りにチャレンジしてもらうことも狙いですね。
スタジオセットも無料で利用が可能。セットは定期的に入れ替わり、写真は8月に設置されていたKuroOviセット
—クリエイター同士の交流はお互い良い刺激になりそうですね。
武内:クリエイターは家や撮影場所で、1人ないし数人の撮影チームで映像を撮影します。家で撮影するクリエイターのなかには、他のクリエイターの方と関わる機会が少なく、孤独を覚える方も少なくありません。そのため、クリエイター同士が交流できる機会を設けることは映像制作に対するモチベーションアップにとって必要だと思っています。
—イベントやワークショップに参加されている方からの反響はどうですか?
武内:YouTube Spaceの設備や、サポートスタッフによって、これまでできなかった新たなことに挑戦できて嬉しいという声を頂きます。
また、やはり他のクリエイターと交流できることは、クリエイターにとってとても良い効果を生んでいるようです。コラボレーションなど、仕事の面での交流だけでなく、友達作りができて楽しいという声も聞きます。YouTube Space Tokyoで出会った友達のおかげで、YouTubeを続けることができていますといった声もあり、我々としても非常に嬉しく思っています。
武内 啓恵さん
—現在、イベントを行う際に特に注力している領域・ジャンルなどはありますか?
武内:多様な領域をカバーして、様々な方々に楽しんで頂きたいと思っています。音楽であったり、美容であったり、料理であったりといった、YouTubeの人気のカテゴリーを交互にカバーする形でイベントを行っています。
音楽の領域では「YouTube Music Sessions」という、これからの活躍が期待されるアーティストを支援するプログラムです。音楽やビデオ制作に関する最新動向を学ぶワークショップや、それらの制作におけるノウハウを提供する勉強会を行いました。YouTubeの音楽担当スタッフに加え、星野源やPerfumeのMV制作を手がける関和亮監督を講師に迎えるなどし、反響も良かったですね。同時に、参加アーティストのライブパフォーマンスMVもYouTube Space の機材とスタジオで制作しました。
—今後の展望を教えてください。
武内:2017年8月末で現在のYouTube Space Tokyoを一度改装工事のためにお休みし、同年10月にリニューアルオープンします。環境をより優れたものにし、新たな形でクリエイターさんを迎え入れ、さらなるサポートをしていきたいですね。
「静止画と動画で発信内容、世界観を棲み分けしている」
加えて、今回のイベントについてや旅する女の子のインサイトについて、株式会社エイチ・アイ・エス 広告グループ・コーポレートコミュニケーションチームの丹下 陽一郎さんにもお話を聞かせて頂きました。
―YouTubeのイベントに参加した背景につきまして教えてください
丹下:旅行中に、現地で感じたままに気軽に動画をUPする方が増えてきており、その動向に注目し、旅動画を強化していきたいと考えており、参加に至りました。
丹下 陽一郎さん
―今回のイベントにはどういった想いや目的があるのでしょうか?
丹下:「タビジョ」たちの、旅にまつわる表現方法を動画にも広げていくことにより、より反響を生めるような取り組みにしていければと思っています。
―参加者のみなさんの熱意も高かったように感じます。今回のイベントの所感を教えてください。
丹下:「タビジョ」たちの動画に対する関心が予想以上に高かったので、参加者の満足度も高く、今後の展開に手応えを感じました。
―旅にまつわる発信について、若い女の子たちは 静止画から動画での表現に移行していると感じられていますか?
丹下:Instagramストーリーの浸透により、動画での表現に移行していると感じます。旅行においていえば、旅行中に、現地で感じたことをありのままに大量に表現するのはInstagramストーリー、旅行後は、自身の世界観などを考慮し厳選した思い出をUPするのは静止画といった、棲み分けをされている方が急増しているように思います。
―タビジョの取り組みについて強化されることなど、今後の展望を教えて下さい。
丹下:今後は、タビジョに参加頂くイベント「タビジョMeetUp」でも動画イベントを増やしたり、YouTubeに「タビジョチャンネル」を開設するなど、フォトジェニックという枠に留まらず、旅する女子「タビジョ」たちの表現方法や活動の場をさらに広げていきたいと思います。
SNSに盛り上がりにより、静止画や動画、様々なフォーマットで発信をするクリエイターが増えました。旅という領域に限らず様々なクリエイターをサポートするYouTube。彼らの活動はもちろん、YouTube上で活動するクリエイター、オピニオンリーダーに引き続き注目したいと思います。