2011年からアメリカでサービスを開始し、日本でも注目されているアプリ、Snapchat(スナップチャット)。
日本での認知から数年が経ち、Instagramのストーリー機能に取って代わられたように思われがちだが、まだまだ中高生の間ではコミュニケーションツールとして利用されているようだ。いまはSnapchatをどう利用しているのか?現役女子高生のインタビューから探った。
Snapchatの機能とは
Snapchatはそもそもどのようなアプリかご存知だろうか。最大の特徴は、エフェメラルSNSと呼ばれる、送信した画像や動画が一定秒数経った後に自動的に削除されるアプリ。繋がっている友人や、参加しているグループ内で、写真や動画をチャット形式で共有できるサービスだ。この点は現在のInstagramのストーリーと似ている。。エフェメラルSNSの先発はSnapchatだったため、記録が残らないという面で2016年頃からアメリカの若者を中心に大流行している。
同じく、SNOW社が提供するカメラアプリ・SNOWもこの数年で大流行となった。
SnapchatもSNOWも機能はほぼ同じで、顔認証でのメイク加工の機能がアップデートされてから爆発的に中高生を中心に人気となった。
人と人との繋がりを最重要視するSNSにおいて、自身が投稿する内容やリアクションまで気を使う「SNS疲れ」が広がりつつある中、記録が残らない気軽さがSnapchatの流行の一番の理由と考えられる。
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インスタやSNOWと使い分け?女子高生流の使い方
今回、都内の女子高生3人にインタビューを行う中で、Snapchatの根強い人気を知った。Instagramのストーリー機能やSNOWとは何が違うのか?、女子高生たちはこれらのアプリをうまく使い分けていることがインタビューから明らかになった。
1.SNOWよりも撮りたいフィルターがある
自撮り用のフィルターが豊富なSNOWだが、Snapchatにはボイスの変わるものや、友達同士でゲーム感覚で楽しめるフィルターもあるため、時によってSNOWと使い分けをしているようだ。やはりただ「撮る」だけでなく、「チャット」を通して友人間のコミュニケーションを取りたいという思いから、Snapchatを利用するという傾向が強い。
このようにインカメラにして自分の顔認証をすると、多くのフィルターが出現する。
特に、多くの芸能人も利用していることで流行した、声も目の大きさも変わる「宇宙人フィルター」はSnapchatのフィルターだ。
SNOWのように様々な動物に変身できるようなフィルターもあり、さらにボイスも変わるため、友人同士でも使いながら「遊ぶ」感覚だ。
2.ストリークス機能で仲良しアピール
Snapchatには、「ストリークス」というポイント制度があることをご存知だろうか。
「ストリークス機能」とは、友人に撮影したスナップを送り、友人からもスナップが返ってくるやりとりを1日1回以上、
連続して3日間以上続けると、その友人との間では「ストリーク」状態になる機能のことをいう。
ストリークスが表示されている画面
この状態になると、友人の名前の横に炎の絵文字がつくようになっている。
さらに「ストリーク」を続けると、何日続いているかが炎の絵文字の左横に数字で表示され、いつまでも続けることができる。
このように、毎日自分が撮ったスナップを友達に送り合うことでポイントが貯まる仕組みになっている。
この貯めたポイントは特段何か利用できるわけではないが、その友人との「仲良し度」をはかることができるということだ。
また、長らく続いていた「ストリーク」がこのままスナップをしないと後何時間で切れてしまうというときには、炎の絵文字の右横に砂時計の絵文字が表示される。こうなることで、よりもっと続けようという気持ちが駆り立てられ、継続したアプリ利用に繋がっているようだ。
3.インスタのストーリーとはまた別?
日本ではSnapchatの機能はInstagramのストーリーに代替されたと思われがちだが、彼女たちの中では使い分けが存在するらしい。彼女たちによると、
「Instagramのストーリーだと基本的に自分のフォロワー皆に送信されるが、Snapchatでは直接その人に送信することができるから、親近感がわく。特にストリークスがあるからその人に送ろうというモチベーションが生まれる。」そうだ。
もちろんInstagramでも個別でストーリー内容を送ることもできるが、特にきっかけがないとわざわざ個別でスナップを送り、チャットをしようとはならない。Instagramはチャットというよりもフォロワーに「見せる」ツールであるため、より個別なコミュニケーションをとるにはチャットが気軽にできるSnapchatを利用するのではないかと考えられる。そこに更にストリークス機能があるために、より親密なコミュニケーションがとれるようだ。
4.海外の友人とのコミュニケーションにも
やはりSnapchatはアメリカ発のアプリということもあり、海外の若者の間ではかなり普及しているSNSのようだ。
2018年8月時点では、1日のアクティブユーザー数は1億8千万人以上といわれている。
(引用:2018年9月更新! 11のソーシャルメディア最新動向データまとめ)
インタビューした女子高生のひとりも、
「海外の友人とのコミュニケーションに使う。海外ではかなり普及しているし、スナップを送り合ったりして楽しむ。」と述べていた。ただ、海外の友人に限らず、普段の学校の友人の間でも利用し合っているそうで、海外への感度が高い彼女たちの間ではまだまだSnapchatは重要なコミュニケーションツールのひとつのようだ。
このように、Snapchatは同様の機能を持つSNSとも上手く使い分けをし、利用し続けられている。中高生を中心とした若者のSNSの使い方からは、様々な流行が生まれる。今後も彼らのSNS事情に注目していきたい。