世界最大手の音楽ストリーミングサービス「Spotify」(スポティファイ)が9月29日、日本でサービスを公開しました。Spotifyは、2006年にスウェーデンで生まれたサービスであり、アクティブユーザーは世界で1億人以上、有料会員は4000万人を誇ります。今回の日本でのローンチは、アジアのインドネシア、香港、シンガポールなどに続く60カ国目の展開となりました。
どういう機能があるの?
用意されているのは、以下の2つのプランです。
- 無料で楽しめる「Spotify Free」
- 定額制の「Spotify Premium」
Spotifyの一番の魅力は、何と言っても無料で4,000万曲以上と言われる曲を全て視聴できる点です。最新のトップチャートから、プレイリストまで無料プランでもすべての音楽が楽しめます。また、他の音楽サービスと同様に、自分でプレイリストを作成し、共有したりすることも可能です。
有料プランでは、以下のメリットがあります。
①定期的な広告が流れない
②高音質で視聴可能
③オフライン視聴可能
④曲のスキップができる
無料プランでは、アーティスト、アルバム、プレイリスト単位でシャッフルでの再生ができないため、有料プランでは好きな曲をどんな場所でも快適に楽しむことができます。
他の音楽サービスとの違いは?
1.無料プランがある
他にも様々な定額サービスがありますが、どれも「○ヶ月お試し期間」といった、ある特定期間無料で楽しめるキャンペーンを多く見かけます。Spotifyでは、ずっと無料で楽しめるプランが準備されている点が最大の特徴ではないでしょうか。
2.プレイリストやコンテンツの充実
また、その時の気分や、シチュエーションによって曲を選ぶことのできるプレイリストも充実しています。Apple MusicやAWAでも見る、このUIも元祖はSpotifyです。他にも、新曲を聴くことができる「ニューリリース」や人気曲がわかる「チャート」、「ジャンル」などから探すことができ、そのクオリティーの高さと、新しい音楽と出会わせてくれる場として世界中で人気を集めています。
また、Spotifyは時間や気分という点だけではなく、「Running」というサービスにも注目です。このサービスでは、走るテンポと音楽がマッチされるというもの。リアルタイムでテンポを測定し、実際にランニングが開始されると、走るテンポに合わせて音楽が選抜されます。
Spotifyを使ったプロモーション事例
ミレニアル世代の多くが利用していることもあり、海外では多様な業態がSpotifyを活用し、ユーザーとコミュニケーションを図っています。今回はいくつかの事例をご紹介します。
Coca-Cola Canada(コカ・コーラ カナダ)
Play a Cokeより
まず、はじめにご紹介するのは、Coca-Cola Canada(コカ・コーラ・カナダ)による事例です。このプロモーションは「Play a Coke」と題し、同社の製品を買いボトルをスキャンするとSpotify上でプレイリストを聴くことができるというもの。ボトルごとにプレイリストが違うため、何回でも楽しむことができ、ダイレクトな購買に繋げることができる事例です。
Bravo(ブラボ)
続いてご紹介するのは、アメリカの人気ケーブルテレビ局「Bravo」(ブラボ)がSpotifyを用いて行った新番組のプロモーション事例です。Bravoは、Spotifyで公式アカウントを開設し、今季新しく始まる4つの番組にちなんだプレイリストを作成しました。プレイリストは、放送と連動しており、順次アップデートされます。
Spotifyでは、アカウントをフォローできる機能があるためBravoをフォローしているユーザーは更新の通知が受け取れる他、番組のテーマなどに沿って集められる曲から、新たな音楽と出会うこともできます。主題歌やテーマソングだけではなく、番組にイメージに関連するイメージなどから音楽を集められており、より番組を楽しむためのツールとなっています。
Starbucks(スターバックス)
最後に紹介するのは、Starbucks(スターバックス)とSpotifyによるコンテンツ事例です。Starbucksの店舗で流れている音楽を、Starbucksのモバイルアプリを通じて簡単に検索できるというものです。またSpotifyと連携すると、定員がキューレーションしたStarbucks独自のプレイリストを楽しむことができ、お店の外でもカフェ気分を味わえます。
さいごに
好みや気分に合わせて楽しめるコンテンツは、日本でも愛用されることは間違いないサービスです。海外では多くの企業が、タイアップ先として選んでいるSpotifyですが、日本ではどのような企業が、プロモーションの場として活用していくのでしょうか。また、音楽を楽しむユーザーとどのように接点をとっていくのか、今後の動向にも注目していきたいと思います。