今や、デジタルな世界での宣伝が当たり前となり、どの企業もSNSやインターネット上でのプロモーションの需要が高まっているといえます。それは紙媒体も同じこと。WEBへシフトする動きも相次いでおり、雑誌休刊を余儀なくされている媒体も少なくありません。

そうした状況の中、紙媒体とWebの双方の良さを取り入れた施策を、実施している企業があるのをご存知でしょうか?今回は、紙媒体の雑誌におけるインタラクティブというアイディアを参考に“ブランド力”に着目した施策をご紹介します。

ブラジル大手ファストファッションブランドが導入したインタラクティブマガジン

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The Inspirationより

2012年にC&Aというブラジル最大のファストファッションブランドがファッション市場を驚かすようなプロジェクトを行いました。それは、“Like Ad(ライク アド)”プロジェクトと呼ばれるもの。リアルタイムでトレンドを察知できる消費者の目線に合わせて行われたプロモーション。本来、雑誌に用いられる広告は、WEBとの接点がないように感じます。しかし、Like Ad(ライク アド)”プロジェクトでは、SNSで生まれた“Liking(いいねをすること)”を雑誌広告に用いて、紙媒体とWEB垣根を越えたインタラクティブなプロモーションが行われました。

Like Adの内容や機能とは?

紙媒体とデジタルの融合は人々に、特別なデバイスを必要とせず、雑誌の中でデジタル・アドを、お気に入りのファッションスタイルと共に楽しむことを可能にしました。この Like Adは、あらかじめFacebookを通してC&Aのスポンサードポストから招待受ける必要があります。招待を通じて自身の個人情報を登録し、その情報は雑誌に内蔵されている電子板のページに埋め込まれるTimのチップに反映されます。そして、その人用のためのチップが入った雑誌が家に届くという仕組み。

この雑誌には2つの“like”ボタンが、それぞれのスタイルについており、“like”ボタンを押すたびに、フェイスブックのタイムラインに自分のLike Adの選択結果がシェアされるようになっています。

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Youtubeより

お気に入りのスタイルのボタンを選んで押すと、ライトが点滅し、そのボタンを押したことが確認できます。また、そのすべての“like”はショッピングモールにあるショップのディスプレイに送られ、2つのスタイルのどちらが人気かどうかをリアルタイムで見ることができます。

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Youtubeより

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Youtubeより

DM9DDBの統計によれば、このインタラクティブな施策を受けて、約880万人ものユーザーが反応。1時間に1,000人の新規顧客獲得につながったようです。そして、アドで紹介された洋服のコレクションは、1日で完売したという結果も報告されています。

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Youtubeより

「C&Aのお客様は、ファッションの情報に敏感でSNSのヘビーユーザーが多いです。だからこそ、C&Aは多様なオンラインとオフラインの両方のプラットフォームで情報を提供し、彼女たちにできるだけ近い存在でいようと努力しているのです。」とC&Aの営業部長のPaulo Correa(パウロ・コレア)は話しています。

 

さいごに

デジタルデバイスのある生活に慣れているからこそ、アナログな紙媒体の雑誌にひと工夫を入れてみるのは良いアイディアかもしれません。雑誌の宣伝広告をSNSと連動させる今回の施策のように、方法は様々です。また、店舗との連動というところにおいても、参考にしたい施策と言えそうです。

 

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Juri Ishii
Post Author

Juri Ishii

1993年生まれ。国際基督教大学教養学部アーツ・サイエンス学科在籍。メディア論と都市論を主に研究。2011年にニュージーランドに休学留学を1年間し、現地の高校で社会学やデザインを学ぶ。2015年には、イギリスのリーズ大学に留学を1年間し、社会学に加え、映画論とフランス語を学ぶ。専らの興味は、「オリンピックと都市の変容」と「映画」。2年前から趣味のカメラを始め、現在は社会問題に関するZINE発行に向け奮闘中。