現在、様々な業界でVRが盛んに利用されるようになっています。特にPlaystation VRに見られるようにゲーム業界や、内見をバーチャルで行うように、不動産業界で積極的に活用されています。
パリでは、ディズニーランドがVRを採用。とはいってもディズニーランドの一般来場者向けのVRではありません。2017年2月、ディズニーランド・パリのBtoB部門、ディズニービジネスソリューションが、ディズニーランドでイベント開催を検討している企業担当者向けのアプリをリリースしました。内容は、イベント会場をVRで歩いてみて回れるというもの。今回は、ディズニーランド・パリがVRのスマホアプリを導入するに至ったその狙いに迫ります。
ディズニービジネスソリューションとは?
ディズニーランドビジネスソリューションは企業向けにディズニーランド・パリのアトラクション、レストラン、会議場などイベント会場の貸し出し・運営を行っており、年間850以上のイベントを開催しています。例えば、米国の大手通信会社MCIが関係各社とのカンファレンスを開催する際、ディズニービジネスソリューションがカンファレンス場の貸し出し運営を行いました。イベント会場はテーマパークに位置していることもあり、通常の会場と異なり、楽しい雰囲気の中でイベントを行えます。
イベントが行われている様子も体験可能
ディズニービジネスソリューションはこれまでも動画を活用してディズニーランドのイベント会場の利用を企業にアピールしてきました。今回、さらに企業のイベント会場の利用を促すための後押しとしてVRを採用。
ユーザーはAppleストア、Google Playで「Disney Business Solutions VR」アプリをダウンロードし、スマホをVRカードボードもしくはVRヘッドセットに設置すると、空間を仮想体験することができます。
Disney Business Solutions VR iTunesより
Disney Business Solutions VRアプリでは、イベントの開催場所となるディズニーランド・パリ内の2つの会議センター、会議室、ディズニーイベントアリーナ、ディズニービレッジ、ディズニースタジオを上下左右前後を見渡しながら、歩き回ることができます。
また、それらの会場が何もない状態と、実際にイベントが行われている状態の2つの状態をVRで比較することもできます。
場所貸しなどのBtoB事業でもVR活用が増えるのか
企業のイベント企画担当者はイベント会場選定にあたり、会場が実際どのようば場所なのか、どのようなレイアウトなのか可能な限り詳しく知りたいはずです。もちろん最初から会場の下見に行けるとベストですが、予算や時間の関係から遠出が難しい場合もあるでしょう。そんな時に、下見の代わりになる、もしくは下見に行くべきかどうかの決定材料にできるのが、今回のVRのスマホアプリです。担当者が実際にイベント会場の下見を終えた後、レイアウトを再確認する場合にも利用できます。
冒頭で述べたようにVRコンテンツはゲーム業界や、不動産業界などの個人の顧客に対して提供する、BtoC向けのコンテンツのイメージがありました。しかし、今後はディズニーランド・パリに見られるように、場所貸しなどをしているBtoB事業でのVR活用も増加していくかもしれません。