2017 年5月中旬、環境保護NGOの「グリーンピース」は、マーケティングコミュニケーション企業大手のオグルヴィ・アンド・メイザー・シンガポールとともに、地球温暖化などの気候変動を周知するプロモーション『The Reverse Global Warming Project』の一環として、オーストラリア・シドニーの歩行者天国ピットストリートモールの路上に、あるボックスを設置しました。そのインパクトと、ユニークな仕掛けにより、多くの人の注目を集め、地球温暖化の周知をしました。

氷解する氷山を再現

気候変動や、地球温暖化は、普通に生活している中では、なかなか身近に感じにくい現象です。そこで、グリーンピースは「一般人に気候変動を自らに関係のある、自分事として捉えてもらうこと」を目的にボックスを設置しました。

気候変動という社会性の強いトピックを取り扱いながらも、多くの通行人がつい立ち止まって見たくなる工夫を施したプロモーションとは一体どういうものなのでしょうか?

通行人がボックスをのぞき込んでいます。その視線の先には…



北極グマが乗った氷山の模型が設置されています。



氷山から水滴がポタポタと下に落ちていきます。温暖化によって氷が氷解している様に見て取れます。



ボックスの右下には、「Think you can reverse the effects of global warming?」=地球温暖化をもとに戻せると思いますか?というメッセージが。NFCタグにスマートフォンをかざす、もしくはQRコードを読み取ると…



グリーンピースのプロジェクト「北極を保護区に」(英語名 Save the Arctic)への署名、もしくは寄付ができるページが表示されます。署名、寄付をすると、水滴が空中でフリーズし、逆流していきます。それはまるで、氷の氷解が止まり、自分の力で温暖化を修復しているような表現です。



このユニークな仕掛けは、多くの通行人の注目を集めました。



署名や寄付が、目の前で形となる

NFCタグ、QRコードを読み取ってグリーンピースのプロジェクトに対して署名、寄付をすることができ、それによって、水滴は逆流し氷山の氷解を防ぐことができます。通行人は気候変動に対する自分の貢献を、直に認識することができるのです。

 

また、北極グマの乗った氷山が刻一刻と氷解していく様子は、現実の深刻さを表現しています。なかなか身近に考えることの難しい温暖化問題ですが、通行する人々に現実性を持って訴えかけることことによって、多くの人注意を引き、周知することができたのではないでしょうか。

 

All Source by Greenpeace Australia Pacific YouTube

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森本進也
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森本進也

ライター。1989年生まれ。IT、経営、マーケティング、金融、バイオ、医療等の領域において海外の最新トレンドを追っている。好きなメディアはTechCrunch、Business Insider、Scientific American。