2019.12.19

今月14日からクリスマスまで、銀座の街に花火が打ち上がっている。
銀座のどこにそんな場所が?と思いきや、なんと「エルメス(HERMES 以下、エルメス)」のビルの壁面。
エルメスとGinza Sony Parkは、12月14日(土)から25日(水)まで、銀座にあるGinza Sony Park・特設ステージにて、花火体験が楽しめるインタラクティブなプロモーションを展開。

お客さんは会場でレザーの花火筒を手渡され、会場で案内人の掛け声とともに花火筒をかざすと、ビルの壁面にプロジェクションマッピングでオリジナルの花火を打ち上げることができ、その花火の数で競うというゲームも展開。
これは、銀座メゾンエルメスの壁面のガラスブロックが、まるでゲームのピクセルのように正方形なため、プロジェクションマッピングでゲームを展開するエルメスのクリスマス企画。
昨年も同期間に同様の施策を行なっており、大変好評だった様子だ。

昨年の施策は、エルメスの定番バッグ・ケリー(Kelly)を8bitのキャラクターにし、プロジェクションマッピングで壁に投影し体験ゲームを展開。2人1組で挑戦でき、特設ゲームコントローラーでゲームができるというもの。
銀座の真ん中で、エルメスのビルの壁面を使った大画面でゲームができるという驚きの施策に、SNSや各種メディアで話題となった。
また、8bitのケリーバッグのキャラクターオブジェもGinza Sony Parkに展開。

また、昨年同様SNSで贈れる「デジタルグリーティングカード」が作れる特設アプリも展開。エルメスを象徴するケリーバッグやウマの形をした6種類の花火モチーフが用意されており、銀座に足を運べない方にも楽しめる施策も用意してある。

プレゼントの需要が高く、ハイブランドの購入需要が高まる中、あえてキャラクターやゲームといった「子どもから大人まで楽しめる」施策を展開するエルメス。そこにはブランドの理念が紐づいていた。

ブランド理念である「主役はお客様である」を追求する。


1837年にフランスで馬具工房としてスタートしたエルメスは、1892年に馬具製作の技術を基にバッグを製作し、1927年に腕時計を発表。その後、服飾品・装身具・香水などの分野にも手を広げ、デザイン、製造、販売をすべて手がける会社になった。
エルメスの製品は、革の裁断から組み立てまですべて職人の手作業で1つ1つが作られている。エルメスは創業当初から「主役はお客様である」という理念を持ち続けており、その理念はかの有名なバッグ・バーキン(Birkin)の誕生秘話にも込められている。

1984年、5代目の社長であるジャン=ルイ・デュマ=エルメスが乗った飛行機で、隣り合わせた女性が使っていたバッグの荷物が無造作にたくさん詰め込まれ、ぶちまけられた様子を見て「ポケット付きのものがよいでは?」と提案。
その後、その女性の要望を伺い、彼女の理想とするバッグのデザインスケッチを描き、バッグを制作し、プレゼントしたのだという。
この女性がイギリスの女性シンガー「ジェーン・バーキン」だったため、バッグにも同じ名前をつけ1984年にバーキンが誕生し、現在も世界中の女性に愛されている。

また、1920年には世界で初めてのファスナー付きバッグ・「Bolide ボリード」が誕生。
自動車での移動がスタンダードになりはじめた時代に、車の振動でバッグの中身が飛び出さないようにファスナーを取り付けたデザインを販売したのだそう。
このように、職人の手仕事でハイクオリティな製品を製作しながらも、決してお高く止まらず、ユーザーの声に寄り添ってきたからこそエルメスは200年近くの長い間、世界中で愛されているブランドとなっているのだ。

ブランドの固定概念に縛られない、自由発想のプロモーション

そんなエルメスは日本でもこれまでに様々なプロモーション施策を行なってきている。
1997年には、日本の少女漫画家の竹宮惠子氏にエルメス唯一の社史を漫画で刊行。

本社のあるフランスでも社史をまとめた本は存在していないらしいが、バーキンを製作したのと同じ5代目社長のジャン・ルイ・デュマ・エルメス氏が日本文化に大変興味を持っており、160年のエルメス社の歴史を漫画で記したい、と思い実現に至ったそうだ。

2016年には、原宿キャットストリートをエルメスのアートワークを担当する、アーティスト「ナイジェル・ピーク」のイラストのステッカーなどでアートジャックを行うプロモーションを実施。

パフォーマンスやインスタレーションもキャットストリートで行い、ブランドの世界観を街中で表現した。

今年9月には、エルメスメンズの世界観を“ラジオ”を通して表現する施策を実施。
東京・原宿に「ラジオエルメス」と称するラジオステーションを開設し、エルメスのアートディレクターのインタビューや、国内外のアーティストのVR体験ができるブースを公開。

引用元:https://www.hermes.com/jp/ja/story/220231-radio-hermes/
坂本龍一や野田洋次郎など、日本やフランスのアーティストによるライブパフォーマンスを動画で配信するイベントなども行なった。

プロモーションの域を超え、世界観を訴求するエルメス。
先述の現在行われているGinza Sony Parkの施策も、あえてエルメスのイメージをドレスダウンし、誰でも参加しやすく楽しめる施策を展開し、ユーザーに寄り添っている。
ハイブランドであることに固執せず、「主役はお客様である」の理念を軸に様々なプロモーション施策を行うエルメス。永続するブランドの精神性はどんなブランドも見習いたいことだ。

エルメスの夢見る花火 イベント詳細
期間:2019年12月14日(土)〜12月25日(水)
時間:18:00〜22:00(日祝 18:00〜21:00)
場所:Ginza Sony Park 地上フロア
住所:東京都中央区銀座5-3-1
※プロジェクションマッピングは、天候により中止する可能性あり
※プレイグラウンドは Ginza Sony Park 開園時間(5:00〜24:30)に準じてオープン

サムネイル写真:ソニー企業株式会社プレスリリースより引用 © Hermès

前田 沙穂
Written by
前田 沙穂
2019年1月からCOMPASSの全ての記事の企画・編集を行う。フリーライター&アートディレクター。マーケティング,ガールズカルチャー,サブカルチャーを軸に企画・ライティングや、女性アイドルやアーティストのクリエイティブディレクションなどを行う。https://twitter.com/sahohohoho
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前田 沙穂
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