プロモーションの手法の1つとして、SNSを活用する企業は増えてきましたが、それは企業に留まりません。スポーツ業界も、SNSを駆使しようと積極的に試みている業界の1つです。2016JリーグYBCルヴァンカップ決勝に合わせ、10月14日(金)、15日(土)に埼玉スタジアムでインスタミート「#InstaLevainCup」を実施しました。インスタミートとは、Instagramユーザーが自発的に始めた撮影会の総称で、現在では、国外内問わず、様々なコミュニティで、頻繁に行われているオフラインイベントです。
COMPASSでは、Jリーグや、Instagram、選出されたインスタグラマーに対して、今回のイベントに対する想いや、背景などを取材してきました。
インスタグラマーが魅力を発信するインスタミート
今回選出されたインスタグラマーは以下6名。
@halubekumagai、@suguru221、@kazuma612、@nefertarisayaka、@nori_qoo、@mil_gracias_77。
公募で選出されたインスタグラマーは普段入場できない、ロッカールームや、ピッチ間際で許可され、写真撮影することができます。もともとサッカーが好きなメンバーがアサインされていることもあり、インスタグラマーの方々は熱をもって、くまなく写真撮影されていました。
ピッチ
ロッカールーム
記者会見場
スタジアム上部から
そして、今回彼らが撮影し、投稿した写真は以下のような写真です。
https://www.instagram.com/p/BLi8Sw5lnDd/?taken-by=halubekumagai
ユーザー発信の方が、魅力は伝わりやすい
公益社団法人 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)広報グループ グループマネージャーの吉田国夫さんは今回の「#InstaLevainCup」について以下のように語っています。
―インスタミート「#InstaLevainCup」に期待したことは何でしょうか?―
吉田国夫さん:僕たちは、試合の日であれば、どうしても試合のことに、フォーカスしてしまいがちです。例えばですが、選手の練習中の姿や、選手が常日頃生活をしているような場所の魅力を伝えてくれるのは、僕達ではないと感じています。スタジアムにまだ、足を運んだことのない方々に対して、SNSを通して魅力を伝えられるのは、来場者のみなさんだと思っています。今回は公募で選出させて頂いたインスタグラマーの方々に発信して頂いて、スタジアムに行ってみようと思われるきっかけになったらという風に思っています。
―写真や動画を中心としたビジュアルコミュニケーションとスポーツの親和性は?―
吉田国夫さん:テキストコミュニケーションですと、どうしてもルールが分からないといけない、ポジションの名前が分からないといけない、などハードルが高くなってしまうと思います。しかし、画像や動画であれば、音や迫力で「すごい」「面白い」ということは伝わりやすいですよね。テキストで残しておくことも重要だと思いますが、ビジュアルで訴えられるものが、スポーツの入り口になったらいいなと感じます。
本当にファンである人が発信するということ
Instagram APAC コミュニティマネージャーの三島英里さんは今後のインスタミートの可能性について以下のように語っています。
―インスタミートについてー
三島英里さん:今回のような企画は、過去に東京デザインウィークや、横浜マリノス、KAWAII MONSTER CAFEなどでも開催されており、スポーツのみならず、様々なジャンルのコミュニティで行なわれています。Instagramのビジュアルコミュニケーションという点に価値を見出して頂いているからこそだと思います。また、スポーツ業界においても、本当にそのものを好きな人たちに、発信してもらうということを求められているのではないでしょうか。
―インスタミートにおけるコミュニティについてー
三島英里さん:写真を通して、ビジュアルで思い出を残す楽しさを感じてほしいなと思います。加えて、インスタミートを通して、コミュニティのメンバーの皆さんの仲が深まっていくと嬉しいですね。
ファンコミュニティを形成していくことの重要性
今回のイベント「#InstaLevainCup」に参加させて頂き、印象に残ったことの1つに、インスタグラマーの方々の嬉々とした姿がありました。
今回のインスタグラマーはみな公募で選抜されたInstagramユーザーです。みなに共通することは、サッカーが好きであるということ。なかなか入れないスペースに興奮する姿も見られましたが、一方で、もくもくと写真撮影をしている姿がありました。本当にファンであるからこそ、見つけられる瞬間があり、おさえられる写真があります。ファンであるユーザーの力を借り、魅力や親近感を発信することができるのがインスタミートの醍醐味ではないでしょうか。
Photo:ENO SHOHKI