今回は、ミュージックイベントや音楽配信を使ったプロモーションなどで参考にできる施策を1つ、ご紹介します。これは、アナログとデジタルを融合させた面白い施策です。「Kontor Records」というドイツのダンス音楽レーベルが、2013年に、”Back to Vinyl – The Office Turntable (レコードに回帰 – オフィス・ターンテーブル)”というプロジェクトを打ち出しました。

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inspiration room より

Kontor Recordsが打ち出した、”Back to Vinyl – The Office Turntable”というものが何か、詳しく見ていきましょう。このプロジェクトは、プロモCDが出回る音楽業界に変化をもたらそうという目的のもと、始動しました。封筒がターンテーブルとなっており、オレンジ色のVinyl discs(レコード盤)で音楽が聞けるというもの。

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Youtube より

そこには、その音楽を再生するためのQRコードが付いているので、レコード盤を受け取った人は、持っているスマートフォンでそのQRを読み込みます。特別なダウンロードを必要としていないので、その場で簡単に音楽を聴くことができます。

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Youtube より

QRコードを読み込んだら、スマートフォンを指定の位置に置くだけ。これだけで、音楽を聴く準備が整います。スマートフォンの画面には、レコード盤と針の映像が映し出されます。2016-11-08-152016-11-08-18
Youtube より

曲を変えたい場合は、画面の針を動かします。実際にレコード針を動かしているような感覚になり、レコード世代の方々はワクワクする仕掛けです。

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Youtube より

曲を聴き終えた後、Kontor TVのサイトを閲覧すると、さらにその曲について調べることができます。SNS用のQRコードを作ったり、専用の#ハッシュタグを設定したり、音楽を聴き終わった後に自動的にサイトに移行するようにしたりと、まだまだプロモーションとして考える手はありそうです。

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Youtube より

Inspiration comによると、このプロジェクトは、a Gold Design Lionという賞をクリエイティビティのカンヌ・インターナショナル・フェスティバルで受賞しています。レコードは、古き良き時代の象徴のひとつです。そのような付加価値のついた産物を、今の時代に合わせて変化させ、新しいものを創り出すことにより、新たな文化を生み出せるのではないでしょうか。

さいごに

音楽業界に新しい風を吹き込んだ今回のプロジェクト。しかし、まだまだ改善点はあるでしょう。SNSや自社サイトとつなげて、シェアや購入につなげるなど、ただの音楽サービスではなく購買行動などにつなげることも可能ではないでしょうか。また、音楽フェスティバルなどのイベントでも活用ができるユーモアのあるプロダクトです。

ぜひ、詳しい説明がついている動画もチェックしてみてくださいね。

 

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Juri Ishii
Post Author

Juri Ishii

1993年生まれ。国際基督教大学教養学部アーツ・サイエンス学科在籍。メディア論と都市論を主に研究。2011年にニュージーランドに休学留学を1年間し、現地の高校で社会学やデザインを学ぶ。2015年には、イギリスのリーズ大学に留学を1年間し、社会学に加え、映画論とフランス語を学ぶ。専らの興味は、「オリンピックと都市の変容」と「映画」。2年前から趣味のカメラを始め、現在は社会問題に関するZINE発行に向け奮闘中。