世界を見回すと、頻発するテロやヘイトクライム、フィルターバブルなどあらゆる形の社会的分断がある。一方で、それに反発するかのように、社会の連帯を維持するための共感、共生、コミュニティといったテーマへの人々の関心の高まりも見受けられる。

 

共感、共生、コミュニティというメッセージを発信していくことで、人々に支持されている企業がある。今回は、そうしたメッセージを掲げる3社に注目する。


お互いの価値観を認め、共生していくーHeineken

オランダのビールメーカーHeineken(ハイネケン)のプロモーション動画「Worlds Apart  #OpenYourWorld」。異なる意見を持ち合わせた人々が、互いを受け入れていく姿を描いている。

価値観・主張が全く異なる2人が、お互いの意見を知らずに出会い、共同作業をしていく中で、関係を深めていく。最後には、お互いの主張を聞き、認め合う姿が視聴者の共感を呼んでいる。

 

例えば、登場人物はフェミニストの女性と、現在のフェミニズムに違和感を覚えている男性だ。


Heineken YouTubeより
訳:自分自身が完全にフェミニストであると自認している。

Heineken YouTubeより
訳:現在のフェミニズムは男性嫌いである。

 

2人は共同作業で家具作りを行う。この時点では、彼らはお互いの価値観や主張を知らない。家具作りがひと段落つくと、2人はお互いの性格や共同作業を通して感じた、自分たちの共通点についてビールを飲みながら語り合う。

 


Heineken YouTubeより

 

出会う前に撮影された、それぞれが意見について語る動画が投影される。そこで、2人はお互いが全く異なる価値観・主張を持っていたことに驚く。

 

しかし、2人はお互いの価値観や主張を知った後も、ビールを飲みながら、お互いの意見を尊重し合って話を続ける。そしてそんな2人の間には、価値観や主張を知る以前と変わらぬ笑顔があった。


Heineken YouTubeより

この動画は多くの人から共感を呼び、「Heinekenの動画の取り組みを賞賛する」、「お互いの意見を理解しあう、寛容であることは大切である」といったコメントが多数寄せられた。 


差別禁止ポリシーを掲げるーAirbnb

宿泊施設・民宿を貸し出す人向けのウェブサイトであるAirbnb。Airbnbは単なる宿泊場所のマッチングサービスではなく、世界に広がる一種のコミュニティだ。

 

Airbnbは、あらゆるホストとゲストを受け容れるプラットフォームを築くことを目標にしている。そして、この目標を達成するための課題が、「世界中から差別をなくすこと」だ。

AirBnBより

 

この課題を克服するためにAirbnbは、自らアメリカ自由人権協会ワシントンDC支部のローラ・マーフィー元支部長に依頼し、Airbnbプラットフォームにおける差別の現状調査を実施。

 

その調査結果をもとに人種差別、国籍差別、性差別などの差別に対して細かな差別禁止ポリシーを設け、全ホストとゲストへの同意を求めた。同意しない場合にはAirbnbの利用は続行できないのだ。さらに、ゲストに対して差別的な対応をするなど、ポリシーに反する行いをしたホストに対しては、利用一時停止などの厳しい処置を取っている。

 

また、Airbnbは「Open Doors(オープンドア)」というサービスも設置。これは、ホストから差別を受け部屋の予約ができなかったゲストの代わりに、部屋を探して案内するサービスだ。

 

差別をなくし、全ての人が共生できる世界の実現を目指すために様々な取り組みを行っているAirbnb。全世界に向け、このようなメッセージを発信し続けているAirbnbは、世界中の共生を願う人々から支持されている。


憩いの場としてのコミュニティをーOutdoor Voices
 


Outdoor Voicesより

 

元Nike社員のTyler Haney氏が、2013年に創業したスポーツウェアブランドのOutdoor Voices。Tyler氏は人々に親しみを持ってもらいやすいスポーツウェアブランドを作ろうと思い、Outdoor Voicesを立ち上げた。他のスポーツウェアブランドと比較した際、Outdoor Voicesの大きな特徴は、人々が交流しやすいコミュニティ作りを重視している点にある。

 

具体的にどのような活動をしているかというと、ランニング、散歩、ヨガ、さらには犬の散歩などのアクティビティを、#doingthingsという名前で開催している。

 

Instagramでは、#doingthingsで多数の投稿がなされている。投稿を見ると、Outdoor Voicesのスポーツウェアを着た人が多くいることや、多数のコミュニティがアクティブに活動していることがわかる。


#doingthingsより

 

 

企業は商品・サービスを提供するだけでなく、その背後にある価値観をユーザーと共有することが大事なのではないだろうか。特にミレニアルズは、クリアなミッションを掲げる企業に対し、好感を持つといわれている。

 

いま企業が伝えていくメッセージとして、「共感、共生、コミュニティ」は大事なキーワードだろう。

 

Main photo by Heineken YouTube

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森本進也
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森本進也

ライター。1989年生まれ。IT、経営、マーケティング、金融、バイオ、医療等の領域において海外の最新トレンドを追っている。好きなメディアはTechCrunch、Business Insider、Scientific American。