米国小売大手ウォルマート傘下のECサイトJet(以下ジェット)が、ミレニアル世代向けのプライベートブランド「Uniquely J」(ユニークリー ジェイ)を展開した。

 

この背景にあったのは、競合EC大手アマゾンの存在です。アマゾンは米国小売大手のホールフーズ・マーケットの買収や、プライベートブランドを展開するなど、急速な成長を見せている。今回の「Uniquely J」展開は、ウォルマート及びジェットによる、アマゾンへの対抗策の1つと言えるだろう。


ミレニアル世代の消費者を多数抱え、アマゾンに対抗するジェット


ジェットより

 

2015年7月にローンチしたジェットは、アルゴリズムを活用した精密なプライシングにより低価格で商品を販売。それによりジェットは、米国においてアマゾンを追撃するECサイトという認識を得ていた。

 

そして、2016年8月にウォルマートは、33億ドル(約3,400億円)という巨額の資金を投じてジェットを買収。狙いは、自社EC事業の補強だ。

 

また、ジェットの強みは低価格での販売だけではない。ジェットは、ローンチ時にミレニアル世代の顧客を開拓するマーケティングに1億ドル(約110億円)という巨額の資金を投資。そのためジェットは、ミレニアル世代の顧客を多数抱えているのだ。リサーチ会社Prosper Insights&Reserchの調査では、ジェットの顧客の49%がミレニアル世代で占められていると判明した。

 

これからの購買層であるミレニアル世代を主要なターゲットとすることで、ジェットはアマゾンへの対抗を図っている。


ドクロやスラングなど、尖ったデザインで “都会の若者”(=メトロミレニアルズ)を狙う

今回展開したプライベートプランド「Uniquely J」は、ミレニアル世代の中でも特に「metro millennial」(メトロミレニアル)と呼ばれる都市部のミレニアルズがターゲットである。「メトロミレニアルズ」に向けて、デザインと品質にこだわった商品ラインナップを用意しているのだ。

 

「Uniquely J」の展開は、ジェットの強みであったミレニアル世代の顧客のエンゲージメントを、今まで以上に向上させる策である。実際にUniquely Jはどのような商品を展開しているのだろうか。

 

大胆なドクロデザインが印象的なコーヒー豆

例えば、大胆なドクロタトゥーがデザインされたコーヒー豆。ユニークなデザインのみならず、オーガニックでフェアトレードのコーヒー豆を使用するなど、品質にもこだわっている。ドクロのデザインでメトロミレニアルの興味を集めるだけでない。賢くてソーシャルグッドなことに、関心の高い「メトロミレニアルズ」にリーチする商品である。


TechCrunchより

 

パッケージデザインにスラングを用いたジッパーバッグ

パッケージにNom Nom(日本語で言うモグモグ食べる)という、インターネットスラングのロゴが入ったジッパーバッグ。若者との共通言語を用いることで若者ウケを狙っていると言えるだろう。


TechCrunchより

 

上記の商品のほかにもオリーブオイル、洗剤、トイレットペーパーなど数多くの食品、日用品が「Uniquely J」ラインナップに含まれる。また、「Uniquely J」はウォルマートのECサイトでの販売も予定されている。


ウォルマートはミレニアル世代を
極的に獲得している

ウォルマートはジェット買収後の2016年12月に、靴のECサイトShoeBuy、2017年2月にアウトドア用品Moosejaw、3月にビンテージ服のECサイトModCloth、6月にメンズファッションECサイトBonobosを買収。いずれのECサイトもミレニアル世代を主なターゲットとしたものだ。ウォルマートがミレニアル世代を顧客として強く意識していることが伺える。

 

立て続けに実施されたこれらの買収の背景には、冒頭で述べたように小売業界で存在感を増すアマゾンの脅威があるだろう。ウォルマートの選んだアマゾンへの対抗策は、ミレニアル世代の顧客を多数抱えることだった。

 

ジェットのプライベートブランド「Uniquely J」の展開も、この一連のウォルマートの狙いが反映された戦略の1つだろう。

 

 

Source by Uniquely J

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森本進也
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森本進也

ライター。1989年生まれ。IT、経営、マーケティング、金融、バイオ、医療等の領域において海外の最新トレンドを追っている。好きなメディアはTechCrunch、Business Insider、Scientific American。