近年テクノロジーの急速な発達により、様々な革新的なサービスが多く登場していますが、飲食業界でもテクノロジーの参入が盛んになっています。日本での事例はまだまだ少ないですが、海外ではテクノロジーの進んだフードショップが増えています。今回はそんな海外のフードショップがどのようなテクノロジーを活用したサービスを行っているのか、5つの事例とともにご紹介します。

eatsa(イーツァ)

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San Francisco Chronicle
より

昨年夏、サンフランシスコに完全に自動化されたサラダ専門店「eatsa(イーツァ)」がオープンしました。eatsaでは注文から決済、受け取りまで全てセルフサービスで行われ、店員さんと接することなく全てが完結します。

注文は店内に設置されたタッチパネルにて行い、決済はクレジットカードで行います。これによってレジに並んだり、お会計をする必要がなくなります。レシートは必要ならメールに送信するように選択することができます。
メニューはキヌアをベースとしたヘルシーで低カロリーなサラダボウルがメインとなっており、一律6.95ドルとなっています。サイドメニューにはコーヒーやティーといったビバレッジ、フルーツが揃い、朝7時から10時半までの間は朝食メニューとしてヨーグルトやブリトーボウルも注文可能です。

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BUSINESS INSIDER
より

オーダーした商品は、ケースが並ぶ壁の上部に設置されたモニターから確認することができます。自分の名前の横にケースの番号が表示され、その番号のケースから商品をピックアップするシステムです。裏には数名ほど調理スタッフがいるということですが、店頭には一切店員さんがいないフードショップというのは未来を感じさせます。

Scanomat(スキャノマット)

デンマークの老舗コーヒーマシーンメーカーScanomat(スキャノマット)はTopBrewer(トップブリューワー)というiPhoneやiPadが反応し、操作が出来るコーヒーマシーンを販売しています。
一見ただの蛇口の様に見えますが、専用のiOSアプリ「TopBrewer」をダウンロードしたiPhoneやiPadに対応し、遠隔操作が出来る仕組みです。

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SHARON McCORMICK
より

コーヒーはカプチーノやフェラテなど様々な種類から選択でき、ミルクやシロップの量まで細かくカスタマイズすることが出来ます。自分のお気に入りの組み合わせがあれば、アプリ上で保存しておき、いつでも呼び出すことも可能です。

またTopBrewerはコーヒーだけでなく、ジュースや炭酸水なども蛇口から出すことができ、北欧を中心とした一部のホテルでは多く導入されています。日本でもホテルやラウンジ、オフィスなどへの導入を期待したい製品です。

Macdonald’s(マクドナルド)

日本でも多くの店舗を展開するマクドナルドですが、こちらは自分で好みのハンバーガーをカスタム出来る日本未上陸のサービス、「Create your taste」です。現在はアメリカ、オーストラリア、シンガポール、香港、韓国といった一部の国の一部の店舗でのみ導入されています。

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Philsosophyyより

店頭に設置されたデジタルサイネージから「I WANT TO CREATE MY OWN(自分でカスタマイズする)」を選択。バンズから挟むチーズや野菜の種類、ソースの種類まで全て自分でカスタマイズすることが出来ます。もちろんサイドオーダーも注文可能です。決済はレジで行うか、サイネージ下に設置された機械でクレジットカードを利用して行うか選べます。レシートもサイネージ下に設置された機械から受け取ることが可能。商品は番号札を持ち席に座ると、その席に店員さんが届けに来てくれるシステムです。

またフランスを中心とした欧州のマクドナルドでは、「EASY ORDER」と呼ばれるデジタルサイネージを用いた注文&決済サービスを行っています。こちらでは先ほどのハンバーガーをカスタマイズできる「Create your own」は出来ませんが、サイネージから注文と決済ができ、出てきたレシートをレジに持っていくことで商品を受け取れるシステムです。現地の言語と英語に対応しているため、現地の言語でのコミュニケーションに不安な旅行者も安心して注文することが出来ます。

Starbucks Coffee(スターバック コーヒー)

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EATER
より

日本で今年5月にアプリがリリースされたことで話題となったスターバックスコーヒーですが、本国アメリカでは昨年8月からアプリ上で注文・決済が完結するサービスを行っています。日本で公開されたアプリはスターバックスカードの情報を管理し、アプリ上で表示させたカードのバーコードをレジにて店員さんに読み取ってもらうことで決済するというシステムです。
一方、アメリカで展開されているサービス「Mobile Order&Pay(モバイル注文&決済)」は、アプリ上でスターバックスリワード(日本未上陸の特典サービス)のカードを登録する点では日本のサービスと変わりませんが、アプリ上で商品を注文し、所定の時間に指定したお店に行けばレジに並ぶことなく商品を受け取れるというシステムです。

決済はアプリに登録したカードから行われ、レジにてバーコードを掲示する手間もありません。このカードへのチャージはApple Pay(アップルペイ)やクレジットカード、デビッドカードから支払い可能です。なお、残高が10ドル以下になれば自動的に10ドル分が課金される自動リロード(Auto Reload)機能もあります。

Sprinkles Cupcake ATM(スプリンクルズ カップケーキATM)

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untapped cities.
より

こちらは2014年突如としてNYはアッパー・イーストサイドに現れたカップケーキ専門の自動販売機Cupcake ATMです。ロサンゼルスから進出したカップケーキ専門店、Sprinkles(スプリンクルズ)が店頭に設置したもので、ATMでカップケーキを買うという、これまでにない体験ができるとして人気を集めています。

利用者は画面に表示された20種類ものカップケーキの中から好きなものを選択、クレジットカードをスキャンすると箱に入ったカップケーキが出てきます。カップケーキの値段は店内で買うのと同じ4.25ドルとなっています。

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Youtubeより

ATMマシーンの裏側はカップケーキが並ぶ棚となっており、注文が入る度にマシーンがそれらの在庫から該当するカップケーキをピックアップします。2時間置きに行われる商品の補充作業のみ人が行っており、それ以外は全てマシーンが作業しています。

まとめ

日本ではあまり進んでいないテクノロジーと飲食業界とのコラボレーションですが、海外では数年前より活発に行われています。今回ご紹介した5つの例で、以前より便利になったことを大前提とすると、それ以外で共通しているポイントは2つです。

・期待を超えた体験
・SNSにアップしたくなる仕掛け

「期待を超えた体験」を提供できると、食べ物自体というより、そこで体験できることを目的とした客足の増加が期待できます。例えば5つ目にご紹介したカップケーキ屋さんは、カップケーキ激戦区のNYでは、他店に敵わずあまり売り上げが低迷していましたが、カップケーキATMを設置したところ、多くのお客さんが集まる様になりました。

また、今までご紹介したものは、SNSにアップしたくなるようなワクワクするテクノロジーばかりです。写真に収めたいから、消費するということも少なからずあるのではないでしょうか。

テクノロジーを導入することでお客さんを惹きつけ、拡散を期待し、さらに多くのお客さんに集まってもらう、という一連のサイクルを生み出すことが鍵となりそうです。

text:Karin Satomi

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COMPASS編集部
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