4月18日、19日の2日間(現地時間)、アメリカカリフォルニア州サンノゼでFacebookの開発者向け会議「Facebook Developer Conference:F8」(フェイスブック ディベロッパー カンファレンス:F8、以下F8)が開催されました。今年のF8で最も注力して語られたのが、VR・ARについて。今回は、F8で語られた内容について紹介します。


友人との交流を仮想空間で

Facebookは現在「Facebook Spaces」(フェイスブック スペース)というアプリをβ版で配信しています。Facebook Spacesによって人々はVR世界で知人と交流することが可能になりました。

 

これまでのVRは1人で楽しむもの、また知人と一緒に遊ぶ際も現実世界で同じ場所に集まる必要がありましたが、Facebook Spacesは世界中のどこにいても複数人の知人と一緒にVR世界で遊ぶことができます。

 

Facebook Spacesを利用するために必要なのは、Facebookアカウント、Oculus Rift(オキュラスリフト)という専用のVRゴーグル、Oculus Touch(オキュラス タッチ)という専用のVRコントローラーです。


Oculus Youtubeより

VR空間の中では自分の姿に似たアバターを操作します。Facebook Spacesは、Facebookに投稿されている自身の写真をもとに、アバターを生成します。

 

VRの世界では、遊園地、森の中、部屋の中など、様々な空間を選び、空間を移動することができます。知人と一緒に遊ぶ際には、同一空間の中に自分と知人が表示され、会話をすることはもちろん、一緒に映像コンテンツを鑑賞したり、ゲームをしたりすることができます。


Oculus Youtubeより

 

また、Facebook SpacesはFacebook Messengerとも連動しています。VR世界の中で撮った写真をそのままMessengerで送信したり、VRゴーグルやコントローラーを持っていない知人に、ビデオ通話をすることも可能です。


Oculus Youtubeより

VRゴーグルとコントローラーを持っていない人には、スマホ画面にVR世界が映し出されます。


Oculus Youtubeより

VR世界のアバターと現実世界の人が一緒に写真を撮ることも可能です。


Oculus Youtubeより

街中に3Dエフェクトを

FacebookはVRだけでなく、ARにも力を入れています。写真や動画にデジタルイメージのエフェクトを重ね合わせる新しいARプラットフォーム「Camera Effects Platform」(カメラ エフェクト プラットフォーム)を発表し、これを公開することを明らかにしました。世界中の開発者が、カメラ用の独自のエフェクトを開発できるようになります。

 

また、SNOWやSnapchatなどといった2Dエフェクトだけでなく、体全体の認識が可能となり、現実世界に対しても3Dのエフェクトをかけることができるようになると強調しています。Facebookの発表したARカメラの特徴についてご紹介していきます。

 

1.現実世界に2Dのエフェクトをかける

従来のSNOWやSnapchatでも実装されている機能。ただし、Facebookが新たに発表した2Dエフェクトは、顔認識だけにとどまらず、体の認識もしっかりと行えるようになりました。

 

2.現実世界に3Dのエフェクトをかけることができる

スマホのカメラを用いて空間情報を読み取り、現実世界に3Dのエフェクトを投影することができるようになります。


F8 Facebook AR Camera Demoより

 

3.現実世界の3D構造を認識する

スマホのカメラによって空間構造を認識することができるようになりました。現実世界における物体の形状を認識できるようになったので、GPSと連動し、3Dラベルを残すことも可能です。


F8 Facebook AR Camera Demoより

 

これによって、レストランやカフェに行った際、口コミなどを見る必要なしに、スマホのカメラをかざすだけで、それぞれの商品のレビューを見ることができるようになります。

脳で考えたことを自動入力できるシステム

FacebookはAIの開発にも力を入れています。それが、頭の中で文章を考えると自動でタイピングができるインターフェースの開発です。

 

全身麻痺の患者さんの脳に、チップを埋め込み、考えていることを自動でタイピングするシステムは既に存在します。Facebookは脳にチップを埋め込むことなく、自動でタイピングをすることができるインターフェースを開発しようとしています。

 

Facebookはこのシステムを数年以内に完成させたいと公言しており、また1分間に100単語のタイピングを目標としています。これは、我々が現在スマートフォンで行っているタイピング操作の約5倍の速さであり、実現すれば今まで以上にソーシャルメディア上でも、コミュニケーションがスムーズになります。

 

また、Facebookが手がけるAIの応用は自動タイピングだけではありません。皮膚の振動によって人の話を聞くことができるテクノロジーのデモビデオの紹介もされました。「指ではなく、体で感じる点字」のようなもので、障害を持つ人々のサポートのために開発がなされています。

より簡単に、高度なVRコンテンツ制作を

FacebookはF8の参加者全員に360度撮影ができる「Giropticカメラ」(販売価格は250ドル)を配布しました。このカメラがあると、今までVRコンテンツを消費していた一般ユーザーがスマホを使って簡単にVRコンテンツを制作することができるようになります。

また、高いレベルのVRコンテンツを制作するために、surround360カメラの最新デザイン「x24」と「x6」を発表しました。カメラの開発もVRコンテンツにより力を入れていくためと言っても過言ではありません。

 

すでに、現実世界と拡張現実・仮想現実の境界線がシームレスになってきています。今後さらに開発が進むことで、我々が生きている現実世界の重要性を意識する必要がありそうです。また、今後のFacebookの計画や開発からも目が離せません。

 

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石井リナ
Post Author

石井リナ

COMPASS編集長 1990年生まれ。SnSnapで事業開発を担当し、COMPASSの編集長を務める。新卒でオプトへ入社し、WEB広告のコンサルタントを経て、SNSコンサルタントとして企業のマーケティングに従事。デジタルプロモーションを中心としたライター業や、セミナー講師などとしても活動を広げている。 執筆書籍:「できる100の新法則 Instagramマーケティング」