※本記事は2018年6月21日に執筆・公開。その後、2018年8月に一部修正を加えています。

Instagramは2018年6月20日(米国時間)、縦型の長尺動画を楽しめる新アプリ「IGTV」をローンチしたことを発表。(数週間以内に全世界で展開予定。日本では2018年6月21日現在、ダウンロード可能)また同時に、Instagramの月間アクティブアカウントが全世界で10億を突破したことも発表した。

 

IGTVは従来とは全く異なる新たな動画の視聴体験を楽しめるアプリで、普段スマートフォンを使う向きである“縦型”に合わせた画面デザインとなっている。今までInstagramでは、60秒までの動画投稿・視聴が可能だったが(フィードで最大60秒、ストーリーズで最大15秒)、IGTVでは最長60分までの動画を楽しめるようになる。IGTVは動画に特化した新サービスだ。

Instagramアプリのアイコン(左)とIGTVアプリのアイコン(画像提供:Instagram)

IGTVアプリを開くと、動画が自動的に再生される。Instagram上ですでにフォローしているクリエイターの動画や、興味関心に近いクリエイターの動画が自動で表示されるため、すぐに好きなコンテンツが視聴可能。また、メイン画面から上部にスワイプすることで、「おすすめ」や「人気」、「フォロー中」といったタブが表示され、より多くのコンテンツが視聴できる。

また、画面を横にスワイプすると、自動的にチャンネルが切り替わる。この機能は、従来のテレビでチャンネルを回す行為と似ていると言えるだろう。これは、“視聴したい動画があるわけではないが、とりあえずIGTVを開いてみよう。なにか面白いものがあるか探そう”と、IGTVの視聴をより気軽にするものとなっている。

IGTVでは従来のInstagram同様、動画にいいね!やコメントをつけたり、ダイレクト機能を使って友人にシェアすることも可能だ。

IGTVアプリを起動すると自動で動画が再生(画像提供:Instagram)

IGTVではクリエイター自身がチャンネルとなり、Instagramアカウントを持っていれば、誰でもIGTVへの投稿・視聴ができる。Instagramとの連携も行われており、IGTVで新たにクリエイターをフォローすると、クリエイターのInstagramアカウントも自動的にフォローされる仕組み。ストーリーズやフィードもチェックできるようになる。

なお、IGTVの機能はInstagramアプリからも楽しむことが可能となっている。

InstagramアプリからもIGTV機能を体験できる(画像提供:Instagram)

今回の発表に関して、Instagram共同創業者兼最高経営責任者のケビン・シストロム氏は、「IGTVが新しい章の始まりとなり、Instagramにおける動画の可能性がさらに広がることを楽しみにしている。」とコメント。

 

ローンチされて間もないIGTVだが、国内外ですでに多数の利用者がいる。国内では、バラエティタレントでモデルの木下優樹菜氏や、お笑い芸人のひょっこりはん氏などが。また国外では、米国の歌手で女優のセレーナ・ゴメス氏やスペインのサッカーチームレアル・マドリードなどがIGTVに動画を投稿している。

 

Instagramのアカウントを持っていれば誰でも利用できることから、IGTVの視聴者は瞬く間に増加するだろう。しかし、一般ユーザーが投稿者となるにはいくつかの障壁がある。まず、IGTVはサイト内に広告表示がない。(2018年8月7日現在、ローンチから約1ヶ月半が経過)これは、2017年に月間視聴者数が15億人を突破したYouTubeと異なる仕組みだ。YouTubeは一定の条件を満たした動画投稿者に広告収入が入る仕組みを作ったことで、“ユーチューバー”を生み出した。もちろん、広告表示がないことは、視聴者にとってはありがたいことだ。しかし、一般ユーザーが活発にIGTVへ動画を投稿するには、何かしらの起爆剤が必要となるだろう。

また、IGTVは最長1時間までの縦型動画を投稿できることが特徴であるが、ローンチから1ヶ月半が経過した段階で、実際に長尺の動画を投稿しているユーザーは数少ない。それどころか、投稿されている動画の大半は5分未満のものとなっている。これは、スマホでの“手軽”な視聴と、“長時間”の視聴の共存が難しいからだろう。さらに、これまで横型の動画が主流だった中、一般ユーザーがクオリティを担保した縦型動画を作成するのが難しいことも挙げられるだろう。

しかし、サッカーチームやメディア媒体、インフルエンサーなどが利用していることから、IGTVが新たな“広告媒体”となりうる可能性は十分にあるだろう。今後、IGTVによって新たな動画ブームは生み出されるのか。IGTVにどのような機能が追加されるのだろうか。動画広告媒体に変化はあるのだろうか。一般ユーザーにとっても、企業にとっても注目が集まる。

 

 

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竹林広
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竹林広

1996年生まれのフリーライター。京都出身。慶應義塾大学文学部に在学し、人間科学を専攻。フリーライターの父を持ち、父の働く姿を見てライター業に興味を持つ。趣味は温泉と寺社仏閣巡り。