空き部屋のシェアリングサービス「Airbnb」。海外旅行へ行く際に部屋を借りたり、訪日外国人向けに部屋を貸したり、とAirbnbを愛用している人も多いのではないでしょうか?現在、全世界191カ国、3万4000都市で利用され、約300万の宿泊施設が登録されている同サービスが3月21日、旅行者向けのトリップ・プラットフォームの拡充を発表しました。東京に続き、大阪でも「体験」サービスを開始したほか、東京では約50人のエキスパートがオススメする、約450カ所の情報が閲覧できる「ガイドブック(スポット)」機能の提供が開始しました。

 

旅行計画にかかる煩わしい時間を減らし、旅行をマジカルなものに

 

Airbnbがトリップ・プラットフォームを発表したのは、昨年11月のこと。これまでは宿泊先の検索しか行えませんでしたが、トリップ・プラットフォームが発表されたことにより、現地ならではの体験、地元の人がオススメするスポットをアプリから手軽に知れるようになったのです。

 

これにより、「旅行を魔法のような体験にしていきたい」とAirbnb共同創設者兼CPO(チーフ・プロダクト・オフィサー)のジョー・ゲビア氏は語ります。

 

「人々は有意義な旅行体験を求めているにも関わらず、旅行の計画にはかなりの時間がかかりますし、有名な観光スポットにはたくさんの人がいて混雑している。私たちはトリップ・プラットフォームによって宿泊・体験・スポットを1つの場所に集約することで、準備にかかる煩わしい時間をなくし、旅行をマジカルな体験にしたい、と思っています」(ジョー・ゲビア氏)

実際、Airbnbで「体験」を検索してみると、さまざま体験が表示されます。気になったものをクリックすれば、詳細が表示され、その場で予約可能。都市別に検索したり、カテゴリ別に検索したりすることも。

 

ジョー・ゲビア氏によれば、「体験ごとに映画のようなポスターを用意することでユーザーがどんな体験ができるか、イメージしやすくしている」とのこと。

 

現在、Airbnbでは世界13都市で体験の予約受付をしており、800を超えており、サービス開始から現在までで60%以上増加しているそう。また、体験の平均額は1人あたり91米ドルで、体験の91%が5つ星の評価を得るなどユーザー満足度も高いのが特徴的です。

 

ちなみに、東京の「体験」はパリに次いで、2番目に人気の高い都市とのこと。風呂敷の使い方や盆栽のデザインなど、日本ならではの文化が感じられる約100種類ちかくの体験が提供されています。今回、新たに提供が開始となった大阪ではポールダンスや和紙づくりといった10の体験が用意されているそうです。

 

「2017年中に体験を提供する都市数を51まで増やしていく予定だ」と、ジョー・ゲビア氏は語ります。

 

ユーザーとホスト、双方にメリットのある「トリップ・プラットフォーム」

また、国内初の導入となったガイドブック機能には盆栽師の平尾成志さん、自転車店「テンプラサイクル」の店主・小林健太さん、書家の本田蒼風さん、服飾デザイナーの中村麻美さんといった、約50人のエキスパートがオススメする東京の約450カ所の情報が掲載されています。

 

ユーザーにとってはガイドブックには載っていないけれど、日本らしさが感じられる東京のスポットが訪問できる。ガイドブック機能は新しい視点からその都市を体験し、地元コミュニティを深く知るための手段になってくれます。

 

トリップ・プラットフォームが特徴的なのは、体験や情報を提供するホストにも明確なメリットがある点です。自分の趣味や情熱を活かして副収入が得られるほか、文化を海外の人に知ってもらえるチャンスが得られます。発表会当日、ホストが登壇し、その思いを語りました。例えば、盆栽師の平尾成志さんはこう語ります。

 

「自分は海外に出て、盆栽を広める活動をしてきのですが、盆栽をもっと広めていこうと思った中で、海外の人が日本に来て盆栽を広めることができるのはありがたいです」(平尾氏)

 

体験やガイドブックによって、ユーザーはこれまでと異なる旅行体験が味わえるほか、ホストは日本の文化を理解してもらえる機会を提供できる。まさに新たな旅行のカタチを提案しているように思います。

 

最後、ジョー・ゲビア氏は「Airbnbを利用することで東京や大阪での素晴らしい体験を発見し、地域コミュニティーにもメリットをもたらされる。体験を提供する人の経済的な支えにもなっていきたい」と語りました。

 

2016年11月に発表され、今回拡充が発表された「トリップ・プラットフォーム」。どこに行くかではなく、何をするか。場所ではなく“コト”から旅行先を決めるというのは新たらしいな、と感じました。個人的には国内の海外旅行者よりも、訪日外国人に需要のあるサービスな気がします。どこまで普及していくのか、今後の動向が楽しみです。

 

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新國 翔大
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新國 翔大

1991年生まれ。埼玉県出身。U-NOTE、サムライトでライター・編集者としての経験を積み、現在はBASEに所属。ショッピングメディア「BASE Mag」の運営をしつつ、フリーのライターとして活動している。