2017.4.11

 

2017年2月24日から26日までの3日間、東京ミッドタウンにて、メイクアップブランド・エスプリークの体験型イベント「ESPRIQUE presents JET STAGE at PREMIUM FRIDAY」が開催されました。

 

リアルでしかできないメイク体験を通じて来場者との接点を持つだけではなく、ついSNSにアップしたくなるような写真を撮れるアトラクションを用意するなど、新しくも一貫した戦略が垣間見えます。今回のイベントについて、株式会社コーセー宣伝部の千葉拓也さんにお話を伺いました。

 

楽しく飛び出そう!というコンセプトのもとジャンプ台を

体験型のイベントを行われたとお聞きしました。今回のイベントの概要、コンセプトを教えてください。

千葉:エスプリークのファンデーションの新商品発売に合わせたイベントです。私達はエスプリークを通じて、女性を綺麗に、そして明るくするために活動しています。今回のイベントは新商品発売のタイミングということもありますが、それと同時にプレミアムフライデーにかけ、エスプリークを使う方々に綺麗になっていただいて、金曜日から週末にかけてより楽しく過ごしてもらいたいという思いもあります。

 

プレミアムフライデーにかけた理由とは?

千葉:プレミアムフライデーという考え方以前に、世の中の女性を綺麗にしたいという想いが一番にあり、イベントの企画を始めました。イベントを通して、よりお客さんに化粧品を楽しんでもらいたい、体験してもらいたいという気持ちが強いんですね。たまたまプレミアムフライデーという世の中の時流があったので、合わせて開催しました。

 

イベント会場に、インスタジェニックなものを体験できるコンテンツもありました。それらを設けられた背景を教えてください。

千葉:単に化粧品を使ってもらうだけでなく、金曜日から週末をより楽しく過ごしてもらうために化粧品を使ってほしいというのが我々の願いです。そんな中で「金曜日から週末へ、楽しく飛び出そう」というコンセプトが生まれ、色々なコンテンツを用意しました。

 

JET STAGEも、コンセプトを具現化したものの1つです。ライブの登場シーンでおなじみのあの仕掛けを体験してもらい、ジャンプの瞬間をプロカメラマンに撮って頂き、写真をプレゼントするという施策も行いました。

舞台上でジャンプした際の写真は、機械に収集される


機械上で自身の写真をタッチするとQRコードが表示される


携帯に届く実際の画像の様子

 

来場者の反応はいかがでしたか?

千葉:大切なのは化粧品の良さを分かってもらうことなので、そこに最も注力していましたし、新しい商品の良さは伝えられたのではないかと、お客さんの反応から伝わりました。

あとは、JET STAGEのような施策をすることによって、お客さんが非日常の体験を楽しんでいただけたのは嬉しかったですね。物理的にお客様を飛ばすのはかなりひやひやしましたけど、写真を見るとみなさま笑顔で、とても楽しそうでした。

 

どのくらいの来場者数だったのですか?

千葉:メイクを体験してくださった方が、3日間で1,543名、うちJET STAGEを体験してくださった方は209名でした。

 

超インスタジェニックメイクというキーワードに込めた想い

「超インスタジェニックメイク」というように、Instagram映えするようなメイクについての調査を行なわれて、イベントではそのメイクが体験できたとお聞きしました。

千葉:はい、事前に、Web上で調査を行いました。他の自社商品も含めた100のメイクパターンを用意して「どれがインスタ映えしますか?」というアンケートを取るというものです。その調査結果の発表をイベント初日に行って、1番になったメイクを体験していただきました。

 

インスタジェニックなメイクとは具体的に…?

千葉:1位が、色っぽヘルシーメイクというものでした。オレンジとベージュのアイカラーでグラデーションを作り、キュートなイメージを演出し、チークにオレンジ系を強みで入れる事で、ヘルシーな印象を作れるメイクです。インスタジェニックと言えば、ついポイントメイクを想像しますが、本当に大切なのはベースメイクでした。マット感やツヤといった肌の演出は控えめにして、ふんわりとしたナチュラルな印象の肌づくりをするのが今のトレンドです。思わず触れたくなるような“ピュアなふわ肌”に「いいね」が集まるという結果が出ました。

 

「超インスタジェニックメイク」というキーワードを掲げられた理由や、SNSを意識したメイクを提案する理由は何でしょうか?

千葉:我々がターゲットとしている方々は、Instagramを日常のコミュニケーションとして使われている方です。今回はメイク体験が終わったあとに、自分の写真をアップしたくなることを想起してもらうことを目標にしました。他社さんで、「インスタジェニックメイク」という言葉を使っていなかったのでパイオニアになろうと。なので、その言葉を押し出して使いました。

 

雑誌やWebだけでは差別化しづらい

メイク体験に、JET STAGEにと、体験を意識したコンテンツが多いですよね。なかでもアトラクション型のコンテンツを用意された理由とは?

千葉:我々はこれまで何度もイベントをしていますが、お客さんにより楽しんでいただき、商品に慣れ親しんでもらいたいという想いは変わりません。メイクイベントも、ただメイクをするだけよりも、何か面白そうな事をやってみることで「行ってみようかな」と思ってもらう事が狙いでした。

事前告知もしていましたが、場所がミッドタウンでしたので、当日たまたま周辺を訪れた方々をいかに呼び込むかというのが肝でしたね。なので、ひっそりと静かにやるのではなく、大きなステージを借りて賑やかに行うことで、周りのお客さんが気付いて、ふらっと来ていただければと思い、コンテンツを考えました。

 

オンラインではなく、オフラインで、プロモーションする理由を教えてください。

千葉:競合他社の製品との差別化が、ウェブや誌面だけだとやっぱり難しいんですよね。実際使ってみた感触や、つけ心地はリアルな場でないと伝えにくいので、積極的に企画しようとしています。

 

―SNSの投稿や反響はいかがでしたか?

千葉:アップされていた写真はみな笑顔で、楽しそうでした。他の写真と比べても表情が良いものがありましたね。ここまで心から笑顔になれるというのは、ターゲットにエンゲージしたのではないかと捉えています。インスタやツイッターの反応は「飛ぶのは怖かったけど、楽しかった」という声が多かったです。

 

自然と楽しめるものや、そうした時の写真はSNSと親和性がいいですよね。「自然だけど、楽しそうな私」というか。チームや社内からの声はどうでしたか?

千葉:我々が目標としていた集客や、お客様に楽しんでもらえたかという点については、成功だと思っています。あとは、商品の売り上げ実績がついてくるかが大事ですね。

 

メイク体験をしたお客様が、ファンになっているという実感はありますか?

千葉:今回は、具体的に購入や会員になる仕組みはありませんでしたが、イベントを通して、商品に興味を持ったという声をお客様からいただいているので、そういった部分から実感はしていますね。

 

商品を知るきっかけになりますよね。最後に、エスプリークとしてこれからやっていきたいことを教えて下さい。

千葉:やはり我々としては、エスプリークの商品を使ってもらいたいし、買って欲しいということは第一にあります。だからといって商品の良さやスペックだけを伝えても、最近は響きにくい状況になっていると思います。そこをクリアして、エスプリークというブランドやコーセーにエンゲージしてもらうことを目標に、リアルイベントをして、お客さんと近い距離で接点を持つことが大切かなと。

 

普段から、化粧品を楽しく使う機会をもっと提供していくべきだと思うので、季節や時流にそったイベント事に寄り添って企画していきたいです。化粧品の有無にかかわらず、女性が心の底から楽しめるイベントを企画していけば、これからもっとエンゲージが高まり、ブランドのファン化にもつながると思っています。

 

ありがとうございました!

 

 

Interviewer , Editor:Rina Ishii
Photographer:Noboru Miyamoto

Written by
石原 龍太郎
1992年生まれ。編集者・ライターとして音楽やファッションなど、カルチャー領域を中心に雑誌やウェブメディアで執筆。守備範囲は広めです。
Written by
石原 龍太郎
1992年生まれ。編集者・ライターとして音楽やファッションなど、カルチャー領域を中心に雑誌やウェブメディアで執筆。守備範囲は広めです。
  • LIKE@COMPASS
  • FOLLOW@COMPASS