こんにちは、石井リナです。
毎日のようにブランドやサービスが、メディアやクライアント、インフルエンサー向けにレセプションパーティーを開催しています。先日shu uemura(シュウ ウエムラ)が開催したホリデーコレクションのパーティーでは、様々なコンテンツが用意され、とてもユニークなイベントとなっていました。850人近くが集まった今回のイベントについて、shu uemuraのインターナショナルPRディレクター村岡晴美さん、デジタルマーケティングマネージャー土屋日鶴さんにイベントの概要や、コンテンツ内容などについてお話を伺いしました。
ワンダーランドのようにワクワクする空間を
石井リナ: 今回行われたイベントの概要やテーマを教えて下さい。
村岡さん:アーティストの村上隆さんとコラボレーションをした、Holiday collectionの発売記念パーティーを「 Flower Wonderland」(フラワー ワンダーランド)というテーマで実施しました。今回発表したホリデーコレクションのテーマが「COSMIC BLOSSOM」(コスミック ブロッサム)だったので、宇宙を感じられるように、ミラーボールを置いたり、キラキラした雰囲気を作りました。また、shu uemuraのイメージにもありますが、プレイフルでfunな要素も織り交ぜています。また、2部構成にしており、1部はメディアやインフルエンサー向け、2部は一般のお客様をお招きしました。
村岡さん
石井リナ: 具体的にどのようなコンテンツを用意されたのでしょうか?
村岡さん:今回のコレクションのディスプレイやメイクアップサービスといったコーナーはもちろん、エンターテイメントとして大きく3つコンテンツを用意しました。1つめはパターゴルフです。2つめはダーツ。3つめはボール投げゲームです。全て村上隆さんの代表作であるお花のモチーフを使っていて、シンプルなゲームとなっています。年齢も性別も国籍も越えて楽しんでもらいたいという気持ちがあったので、分かりやすいゲームコンテンツを用意しました。
お花のモチーフの口の中にボールを沈めるパターゴルフゲーム 村上隆さんが楽しむ様子も
お花のモチーフが回転するダーツゲーム
お花のモチーフの口の中にボールを入れるゲーム
石井リナ: 私も参加させて頂いたのですが、どのゲームにも景品が用意されていて、本当のお祭りのように皆さん楽しんいらっしゃいましたよね。
「フォトジェニック」から「ムービージェニック」へ
村岡さん:今回のイベントのテーマが「FlowerWonderland」だったので、ワンダーランドの入り口に向かう通り道を面白くして、ワクワクするようなものにしようと言う話があがりました。そこで、触れたらお花が動くというような、センサーを利用したインタラクティブなデジタルサイネージを用意しました。
デジタルコンテンツの様子は00:09頃
石井リナ: デジタルコンテンツを用意した意図は何でしょうか?
村岡さん:Instagram Storiesの影響が大きいですが、Facebook LIVEやSnapchatなど、シェアするアウトプットが写真から、動画にどんどん変化してきていますよね。そのため、フォトジェニックではなく「ムービージェニック」な、動いて可愛く、更に絵になるコンテンツを用意したかったんです。
土屋さん:shu uemuraは殆どのイベントでデジタルコンテンツを用意しています。インフルエンサーの方々もInstagram Storiesをイベントの様子を伝えるのにアクティブに使用されていますよね。通常の写真投稿では、特に印象に残ったものを1,2投稿するというように使い分けている方々も多い印象です。
土屋さん
Instagram Storiesは消えるけど、エクサイトメントが伝わる
石井リナ: Instagram Storiesは24時間で消えてしまうプラットフォームですが、その中で投稿数数が増えることには、メリットを感じていますか?
土屋さん:その場の臨場感を伝えるにはLIVEやInstagram Storiesのようなプラットフォームが適していると思います。エクサイトメントが伝わるので、ユーザーの方々も好んで見ていただけているのではないかと感じています。熱量を伝えるには適したプラットフォームだと思っているので、イベントの状況などを投稿頂けるのは嬉しいですね。
石井リナ:Instagramだと、Storiesを活発に使っている人も増えていて、写真が流れるフィードの方を見なくなったという声もありますよね。私もそのユーザーの1人ですが、リアルな情報や動画コンテンツを求め始めているのかもしれないですね。
自分が楽しんだ体験は人に伝えたくなる
石井リナ:今回のイベントは各コンテンツが「体験型」になっているのが印象的ですが、背景には何があるのでしょうか?
土屋さん:インタラクティブなコンテンツを通じてブランドを体感してもらうとより印象に残るのではないかと思っています。ただ、難しいことを抜きにすると、みなさんに楽しんで頂きたいということが1番です。また、体験型のコンテンツを作ると来場したみなさんの反応がリアルに分かるので、それはメリットだと思います。
村岡さん:直接でも、SNSでも人にシェアしたくなるものって、自分が体験して面白かったことだと思うんです。それに、体験型のイベントをどのように盛り上げるのかということは、今回コラボレーションさせて頂いた村上隆さんご本人がよく考えられていることでもあるんですよね。ご自身の個展で行われているアイディアなども伺いながら、今回のイベントの企画も初期段階からご相談させて頂きました。
石井リナ: 村上さんは、商品だけでなく、イベントを作りあげるという上でも良きパートナーだったんですね。
充実したコンテンツが結果的にSNS拡散に繋がる
石井リナ: shu uemuraの中で、イベントについてはどのように考えられていますか?
村岡さん:shu uemuraはTVCMや雑誌広告などを一切行っていないブランドなんです。その中で、お客様やインフルエンサーの方々と接点を持つという意味では、イベントが非常に重要な機会になると思います。ブランドを体感できる環境があるという意味でもイベントの重要性を感じます。
土屋さん:SNSで発信するコンテンツは、その人を表現するものであり、その人の作品になると思います。Instagramのアカウントなどもまさしくそうですよね。今後もインスピレーションとなるコンテンツを用意し、ご参加いただいたゲストの方に楽しんでいただきたいです。
石井リナ: 素敵ですね。イベントを制作する上で気をつけたことはあったのでしょうか?
村岡さん:最終的に製品を手に取ってもらう、試してもらうというのは目的の1つです。なので、空間の導線は気をつけていますね。しかし、「製品をただ撮ってください!」という雰囲気のイベントにはしたくありませんでした。
土屋さん:チームの中でも、製品の写真撮影を押し付けるだけのイベントにはならないように気をつけていました。体験型コンテンツを充実させることで結果みなさんが喜んでくださり、SNS投稿数も増えたと感じます。人数だと850人ほどの方々が集まってくださり、イベントは大成功でした。
石井リナ: 製品のディスプレイが並んだだけのイベントにしない、という強いこだわりが伺えたイベントでしたよね。本日はありがとうございました!
当日のイベントに参加させて頂いたのですが、ここ半年間のイベントの中でも、最も賑わっていて、来場者の満足度が高いイベントだったと言っても過言ではないと思います。インフルエンサーの方々も長時間滞在し、各コンテンツを楽しみ、喜んで写真撮影をしていました。どのように来場者にブランドを体感してもらうか、どのように印象に残すのかということを真摯に考えて制作されたイベントだったのではないでしょうか。フォトジェニックならぬ「ムービージェニック」なコンテンツを用意するとお話されていたのも、現在のSNSにおけるユーザートレンドをきちんと把握した発想です。イベントを実施する際には、shu uemuraの考え方やコンテンツなどぜひ参考にしてみてくださいね。
Interview photo:ENO SHOHKI