SNSを見て洋服が欲しくなるというのは、女性なら誰でも経験のあることではないでしょうか。株式会社VASILY(ヴァシリー)は毎月200万人が利用するファッションアプリ「IQON」を運営している企業です。今回VASILYは、「SNAP by IQON」という、画像解析技術を活用し、人気インスタグラマーのコーディネートに似たアイテムをすぐに購入できるというサービスをリリースしました。VASILY代表取締役の金山裕樹さんにSNAPのサービス開発背景や目的、インフルエンサーへのニーズについてなど、お話を伺いました。


ファッションの熱を購買に繋げるために

今回新たにインスタグラマーが着用しているアイテム、及び類似アイテムが購入できるサービスをリリースされたということですが、開発背景を教えてください。

金山:シンプルに「人気がある人の服が見たい」というニーズに答えたいと考えたところが始まりです。InstagramなどのSNSから何かしらの消費なり行動が生まれているというのは、皆さんの感覚としてもあると思います。実際に我々のリサーチやアンケートでもそういった結果を得られました。

 

インフルエンサーと呼ばれるInstagramで人気があるような人の投稿をチェックして「うわ!これかわいい!私も欲しい!」というようなニーズが存在しているのは分かった上で、そこに課題も見つかりました。「かわいい!でもどこで買えるの?」という問題ですね。雑誌だったらブランド名なり価格なりが載っているので、お店に行ったり問い合わせたり出来るのですが、Instagramだと情報が不十分なんです。そこでユーザーは結局、Instagramを見てハッシュタグで検索して、そこで得られた情報を頭の中で再構成した後、GoogleなりECサイトなりで検索していたんです。


SNAP by IQON

 

我々が思ったことは、そうしているうちに服が欲しい気持ちが無くなってしまうのではないか、という部分です。消費の熱が上がっているタイミングを逃さずに購買に繋げることができるサービスがあれば、消費者にとってはもちろん、ファッション業界にとっても良いことだと考え、その間を埋めるようなサービスとして開発しました。

 

—SNAP by IQONを開発するにあたって、そうしたサービスへの需要を感じられていたということですね。

金山:20~30代の女性が服を欲しくなる瞬間というのを常に考えていて、そこを反映させながらサービスを運営しています。いろいろな人に会い、話を伺いながら温度感などを掴みつつ考えていったというところですね。ニーズあるかもと思ったのは、IQONの類似商品の検索機能をリリースした際に「これってネットショッピングでよくやっていることだよ」という声があったからです。

 

「20万円のコートは買えないけれど、似たような形で5万円のコートだったら買いたい」みたいな感覚は多くの人が持っているのではないかと感じました。IQONでは商品そのものから、形や価格、ブランドが違うものを表示していますが、同じことが服そのものではなくて人が着ているものでもできないかなと。

 

実際に雑誌でも、海外セレブのファッションスナップ写真から似ている服を推薦するような特集ってあったりするじゃないですか。それが既に成り立っているということは、潜在的にそういったニーズがあるということなので、そういった広い視野で見たところからも掴んでいましたね。


発信する個人の力は弱まらない

インスタグラマーの着用アイテムが購入できるとのことですが、どういったインスタグラマーの方たちがいらっしゃるのでしょうか?

金山: 20代後半から30代にかけて、ECをよく利用される方が共感をするようなインスタグラマーさん達が多いです。あとは最近プチプラファッションが流行していますが、SNAP by IQONは「あこがれコーデ」というテーマのサービスなので、あまりプチプラが前面には出てこないような方が多いです。プチプラが悪いというわけではなく、手が届きそうで少し届かない、服が大好きな方に使っていただきたいという想いが強いですね。

 

今回はインフルエンサー、特にインスタグラマーの方を起用されていますが、影響はどうでしょうか?

金山:まだまだスタートしたばかりなので、見えてこない部分も多いですね。ただ、インスタグラマーさんの中でも、今回はECで服を買われるような方たちに共感を得ている方にお声がけしていることが功を奏してか、早いタイミングで消費まで繋がるケースを見つけることができました。

 

インフルエンサーへのニーズの高まりは、やはり大きな流れですか?

金山:それはかなり前から来ていると思います、特に海外においては。今ではインフルエンサーという言葉になっていますが、2000年代からブロガーのパワーは大きいです。ビッグメゾンのコレクションのフロントロウにファッションブロガーが並ぶなんてことは普通ですし、そういうトレンドを発信する個人の力はかなり強くなっていると思います。今から弱くなっていくというのもインターネットという構想からは考えづらいかなと。

 

そういう意味では日本はまだまだこれからなのでしょうか?

金山:言語の問題が大きいですよね。ファッションは比較的言語の壁は無い方だと思うのですが、どうしても日本語で発信しても国内で消費されて終わってしまいます。日本人の感覚だと、外国語が出てきた瞬間にちょっと距離が出てしまう。英語だったらまだしも、例えばポルトガル語とかで投稿されていたら、写真もそこに写っている服も若干遠ざかってしまいますよね。あくまで感覚的な話ですが、同じようなことが海外でもあるのかもしれません。

 

ーサービス、会社として今後の展望を教えてください。

金山:会社としては数年前までソーシャル、スマホ領域をキーワードに早い段階でマーケットにエントリーしてきた自覚はありますので、そこに関しては一定の強みはあると感じています。我々は良いデザインで使いやすいアプリを作るみたいなところは自信があるんですが、既にその中身、アルゴリズムの勝負がはじまっていて優れたデザインというだけでは競争優位にならないんですよね。ですから、次はビックデータ、機械学習、そういったところに投資をして何かしら便益を提供できるようなものを作り出していければと思っています。

 

ありがとうございました!

 

 

VASILYが提供する「IQON」は、ファッションアプリとして世界で唯一Google、Appleの両社からベストアプリに選ばれました。高いデザイン性と機械学習、ビッグデータが交わり構築されるSNAP by IQONの今後の展開も楽しみです。

 

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渡邊志門
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渡邊志門

構成作家、編集・ライターです。 将来が見えませんが、北斗七星は見えます。