サッカー界最大の祭典「2018年FIFAワールドカップ」を舞台にしたソーシャルメディア戦略に早くも熱い視線が注がれている。

中でも最も注目されているのが、全米4大テレビネットワークの一つ、フォックス(FOX)だ。2018年のワールドカップ放送に際し、TwitterとSnapchatで関連番組や動画コンテンツの配信を行う。


ソーシャルメディアの特徴を生かしたアプローチ

フォックスは現時点で、若年層に強い訴求力をもつSnapchatを積極的に活用する方針を示している。

試合のハイライトを編集したスナップを日々提供するほか、同じイベント会場などにいるユーザー同士が写真や動画メッセージを投稿しあえるようにする予定だ。

Twitterでもコンテンツを配信していく。

公式アカウントでは30分のオリジナル番組(計27試合分)の配信を予定している。番組の司会には女性インフルエンサーを迎え、元選手をはじめ、サッカーに精通しているゲストを招く。Twitter上のつぶやきに応答しながら、試合のポイントを進行するとみられている。

Twitterの発表によると、フォックスの動画コンテンツには付随した広告枠が設けられる。現時点では、動画の前後に数秒間の企業広告が流されると推測されている。

ゴール裏のスポンサー看板に広告を出稿しているスポンサー企業が、ゴールシーンのハイライト動画の広告枠に出稿して、メディアを超えた相乗効果を狙えるようになる。

こうして広く拡散されれば、普段テレビを見ないユーザー層に訴求できるだろう。フォックスはワールドカップを舞台に、テレビ放送外で大きな広告収入を得られる可能性もある。


ソーシャルメディアがスポーツ配信を牽引していく

フォックスの他にも、企業がオリジナルコンテンツを制作しTwitterで配信する動きが世界中で見られ始めている。実は、Twitterは今回のワールドカップ以前より、NFL、NBA、MLBと提携し、スポーツ動画を配信してきた。

スポーツ飲料のゲータレードは今年1月、高校バスケットボールの試合のライブ配信を開始した。あわせてハイライトをまとめたオリジナル動画の配信も始めている。


他にも、Facebookは昨年9月に動画配信機能「Watch」を発表し、同月にNFLとレギュラーシーズン256試合、プレイオフ、スーパーボールのハイライト動画を配信する権利を獲得した。

また、Facebookは、今年1月に世界プロサーフィン連盟と2年契約を結び、ライブイベントを独占配信する権利も獲得している。

今回のワールドカップにおいて、フォックスはソーシャルメディアと競合するのではなく、テレビで訴求できないユーザーへリーチする手段としてソーシャルメディアを取り込もうとしている。

ソーシャルメディアの影響力の高まりは、従来テレビだけで完結していたスポーツの視聴体験をより多様なものへと変えてくれるだろう。

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森本進也
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森本進也

ライター。1989年生まれ。IT、経営、マーケティング、金融、バイオ、医療等の領域において海外の最新トレンドを追っている。好きなメディアはTechCrunch、Business Insider、Scientific American。