2019.8.9

Instagramのストーリーがリリースされてから今年の8月で3周年を迎える。工夫次第で可能性が無限大にあるインスタグラムのストーリーは企業のプロモーションのひとつとしても欠かせなくなっている。

今回クローズアップするのは昨年6月に実装された、フェイスフィルターだ。

 

フェイスフィルターは、ストーリーズの投稿画面で好きなフィルターを選んで顔を認識すると、顔に合わせてさまざまなアクションを起こすというもの。SnapchatやSNOWで人気となったARフェイスフィルターと同様のサービス。
Instagramが提供しているデフォルトのフィルターでも十分楽しめるが、最近注目を集めているのが、フェイスフィルターアーティストが作るオリジナルのフィルターだ。

 

今回はアーティストが作るフェイスフィルターがどのようなものなのか、そしてクリエイティビティ溢れ思わず使ってみたくなるフェイスフィルターを制作・提供しているアーティストを紹介する。

 

フィルターを提供しているアカウントをフォローすることで使用可能に。

 

著名人が作ったフェイスフィルターで有名なものは、COMPASSでも特集した、昨年10月にリリースされた渡辺直美がデザインしたもの。渡辺直美は、歌手のリアーナ、俳優のウィル・スミス、NBAやラグジュアリーブランドのGucci Beautyなど、様々な著名人に継ぎ、アジアで初めてのフェイスフィルターをデザインし、話題となった。彼女がデザインされたフィルターは、2種類。お団子ヘアとピンクのショートヘアのフィルターで、どちらもアイメイクとリップメイクが施される。

(COMPASS過去記事より:アジア初!渡辺直美がカメラエフェクトをデザイン!盛り上がるInstagram Stories

 

こうしたクリエイターのフィルターを使う方法は、フィルターを提供しているアカウントをフォローするだけ。そうすればストーリーズのフィルター選択画面が出現するようになる。


ストーリーの画面下部に出現

 

彼女のような有名人のものに加えて、Instagramのフェイスフィルターで最近人気となっているのが、冒頭でも触れたアーティストが作るオリジナルのフェイスフィルターだ。

#instamasks、#instafiltersで検索をすると、デフォルトにはない多くのフィルターを使った写真が出てくる。このようなフィルターは、すべてクリエイターが作ったものだ。

 

現在では海外のクリエイターが作成したフィルターが圧倒的に多くなっているが、これらが普通のフィルターよりも人気となっているのには、スタイリッシュなデザイン性の高さがあげられるのではないだろうか。通常のフィルターは動物のものやハートがモチーフになっているものなど、どちらかと言えばかわいらしさがある。しかし、クリエイターたちが作るフィルターは線が細くメタリックやネオンカラーを使っており、シャープでかっこ良さがあるものが多い。フェイスフィルターを使ったセルフィー=かわいいというイメージを払拭するものばかりだ。実際の写真を見ると、クールでファッション性が高いものばかり。このようなフィルターは、「かわいくなってしまうので自撮りは苦手」といった人も引きつけていると言える。

 

それではここからは、COMPASS編集部がピックアップした人気のあるフェイスクリエイターを紹介していく。

 

1.@johwska

82万人のフォロワーを持ち、もっとも有名なフェイスフィルタークリエイターともいわれているJohanna Jaskowska。顔の上に、透明なフィルムを貼ったかのようなテクスチャーは登場してすぐに話題を呼んだ。

彼女はサイバーパンクに代表される映画・ブレードランナーや日本のアニメ・攻殻機動隊を好み、まるで自分もそういた近未来のSFの登場人物になれるようなフィルターを制作している。現在、11個のフェイスフィルターを公開。

 

2.@exitsimulation

デジタルアーティストの彼もまた、サイバーパンクの世界観をフェイスフィルターで再現。

https://www.instagram.com/p/BuRYyL4FpQH/?utm_source=ig_web_copy_link

自分の顔が幾重にも重なって見えるようなフィルターは、SF映画の主役になれたような没入感がある。

https://www.instagram.com/p/BtI-iTNFCtK/?utm_source=ig_web_copy_link

 

現在24個登場している彼のフィルターはそのどれもがこうした世界観だ。
ぜひ一度はこのアーティスティックなフィルターを使うことをオススメする。

3.@George Kedenburg III

InstagramのデザイナーでもあるGeorgeは、Windows95の画面をモチーフにしたフィルターを提供。Window画面は、ユーザーの頭の動きに連動し、マウスポイントとともに移動する。さらに画面をタップすると、アプリケーションウィンドウが出現するユニークなものになっている。

 

4.@lenatemnikovaofficial

現在10種類ものテーマのフェイスフィルターをリリースしている彼女。テーマや雰囲気もさまざまだ。顔に少しだけデザインを加えたいのなら、「Russian Tatoo」がおすすめ。ハートやロシア語のタトゥー風フィルターが、シンプルでクールに仕上げてくれる。「Diamond Boom」というフィルターは顔にダイアモンドが施されたようなフィルターで、最終的には顔全面がダイアモンドで覆われて自分の顔が映らないというシュールなフィルター。また、ゲームの世界に入ったかのようなあまり他では見ない「Megacity  AR Game」というフィルターがある。これは画面を走っているプレイヤーが顔を左右に動かしたり口を開けたりするといった動作に反応し、それにより障害物を避けながら進んでいくという新しいフィルターだ。

 

5.@valeryvistel

こちらも女性のクリエイターのアカウント。彼女の作るフェイスフィルター は顔を隠すようなものは少なく、頭上などをシンプルに盛れるデザインのフィルターが特徴的だ。花や草、蝶など自然をモチーフにしたリアルなデザインのものが多く、こなれたオシャレ感を出すことができる。フィルターよってはヘッドのデザインに加えてアイライナーやそばかす風のメイクが施されるものもあり、女性の顔を引き立たせてほどよくかわいらしさを出してくれる。おすすめは「redRodse」というフィルター。バラの冠がつけられ、自分の周りにバラの花びらが舞うというロマンチックなフィルターだ。

 

6.@fvckrender

メタリックで宇宙的なデザインのフィルターにより、圧倒的な人気を誇っているのがこちらのアカウント。過度なデザインはなく光を駆使した色合いの変化とスタイリッシュな雰囲気が特徴的。「SPIRIT」「SELF_LOVE」のフィルターは、顔に合わせるとクリスタルが登場し、角度によって光り方を楽しむことができる。「CRYSTAL」は顔ではなく目の前の空間にカメラを向けると、そこに大きなクリスタルが存在するかのように見せてくれるフィルターだ。彼のフィルターの中で1番インパクトがあるのが、「VISION_X90」。映画『スター・ウォーズ』に登場するC-3POのように返信することができる。

 

7.@anyazhikh

少しだけ彩度を落とし、カラフルだけれどレトロな雰囲気漂う写真が溢れる彼女のアカウント。フィルターも同様にどこかノスタルジックさを感じることができるデザインだ。「rainbowmood」「cuteplaster」はちょっと懐かしいポップなペイントを顔に施すことができ、小さい子供にもぴったりなフィルターだ。また彼女のアカウントには「LOMO」「retoro」「Aloha」などといった、普通の写真を撮るときに使うことができるフィルターもある。彼女がアップしている写真の雰囲気に近い写真が撮れるので、気になる人はぜひこちらも試してみて欲しい。

 

高まる今後のプロモーション活用の期待

今回紹介してきたクリエイターが作成したフェイスフィルターは、Lenslistのサイトで見つけることも可能だ。このサイトでは、SnapchatやFacebookを含めた様々なフェイスフィルターが紹介されている。

こうしたフェイスフィルターは、Facebookが提供するSparkARfilterで作成されており、SparkARcommunityには約20,000人のユーザーがおり、無数のフィルターが上がっている。

 

また、プロモーション活用事例はまだ目立ったものが見られないが、先立ってARフィルターが提供されていたSnapchatではARフィルターをプロモーションに活用している事例も多くある。
今後、Instagramでもフェイスフィルターが盛り上がっていくにつれてプロモーションとしての活用の仕方は増えていくだろう。
参考:3億回見られた、マクドナルドによるSnapchatジオフィルタープロモーションとは?

 

また、クリエイターにとっては自分のオリジナリティーあるデザインをアピールできる新たな機会でもあり、今後インスタのフェイスフィルタークリエイターとして活躍することを主とすることが一つのステータスになる可能性もあるだろう。インスタのフェイスフィルターがこの先どのように発展していくか、注目だ。

 

thumbnail by Johanna Jaskowska

 

Written by
Kanako
1996年生まれ。埼玉県出身。大学で語学や海外カルチャー、コミュニケーションを勉強。卒業後はフリーランスとしてライターや編集を中心に、人々の生活を楽しいものにするために「広める」仕事をしている。愛読書は雑誌、バイブルは"gossip girl"、尊敬する人はアナ・ウィンター。
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Kanako
1996年生まれ。埼玉県出身。大学で語学や海外カルチャー、コミュニケーションを勉強。卒業後はフリーランスとしてライターや編集を中心に、人々の生活を楽しいものにするために「広める」仕事をしている。愛読書は雑誌、バイブルは"gossip girl"、尊敬する人はアナ・ウィンター。
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