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6月3日、2016-2017シーズンUEFAチャンピオンリーグの決勝戦「ユヴェントス対レアル・マドリード」が開催されました。米国のテレビ放送局「FOX」の、スポーツ中継部門「FOXスポーツ」がVRスタートアップLiveLikeと協業し、この決勝戦の観戦をVRで視聴者に提供しました。

 

テレビ放送局が、単なる映像だけでは実現できない、没入感のある視聴体験を視聴者に提供する試みとして、非常に興味深い事例です。

挑戦するFOXの姿勢

 

FOXは米国で、ABC、CBS、NBC、と並ぶ4大テレビ放送局の1つとされています。FOXは、1話1時間1シーズン24回、リアルタイムに出来事が展開するアクションサスペンスドラマ『24ーTWENTY FOURー』を手がけたことでも有名です。また、演出やナレーションなどの脚色なしで、警察官の活動を撮影したドキュメンタリー『全米警察24時 コップス』など、これまでにない斬新な手法を積極的に導入してきました。

 

ホログラムといえば他の記事でもご紹介しましたが、消費者に向けた広告に活用されるケースが多いです。しかし最近では、広告以外の用途でもユニークなホログラムの活用事例が出てきています。


遠隔地のサッカークラブの監督がホログラムでカンファレンスに参加

2017年5月、ドイツ拠点のサッカークラブチーム、バイエルン・ミュンヘンが主催でアウディカップ2017に向けたカンファレンスを開催しました。カンファレンスの開催地はドイツです。アウディカップに参加する他サッカークラブの監督Jürgen Klopp氏(英国のリヴァープールFC)と、Diego Simeone氏(スペインのアトレティコ・マドリード)は、ホログラムでカンファレンスに参加しました。ホログラムの技術はARHT MediaHumaGramsが提供。

 

2017 年5月中旬、環境保護NGOの「グリーンピース」は、マーケティングコミュニケーション企業大手のオグルヴィ・アンド・メイザー・シンガポールとともに、地球温暖化などの気候変動を周知するプロモーション『The Reverse Global Warming Project』の一環として、オーストラリア・シドニーの歩行者天国ピットストリートモールの路上に、あるボックスを設置しました。そのインパクトと、ユニークな仕掛けにより、多くの人の注目を集め、地球温暖化の周知をしました。

氷解する氷山を再現

気候変動や、地球温暖化は、普通に生活している中では、なかなか身近に感じにくい現象です。そこで、グリーンピースは「一般人に気候変動を自らに関係のある、自分事として捉えてもらうこと」を目的にボックスを設置しました。

気候変動という社会性の強いトピックを取り扱いながらも、多くの通行人がつい立ち止まって見たくなる工夫を施したプロモーションとは一体どういうものなのでしょうか?

街中でも見かけることの多くなったデジタルサイネージ。デジタルサイネージをより積極的に、インタラクティブに活用する企業が増えています。

 

スープが主力商品のユニリーバの食品ブランドKnorr(クノール)が、マーケティングエージェンシーのGoldbach Mediaと協業し、デジタルサイネージとスマートフォンを連動させたプロモーション「Z’nacht isch Soue-Zit!」(ディナーはスープの時間!)を展開しました。このプロモーションは、2012年2月から4週間に渡って、ドイツとスイス西部の小売店に設置されている1万以上のデジタルサイネージを用いて行われました。

 

マーケティングリサーチのGesellschaft für Konsumforschung社が実施した調査によると、25%の回答者が小売店舗でクノールの広告を見た、また、23%の回答者が広告を見た後にクノールの商品を購入したと回答するなど、効果の高いプロモーションとなりました。


デジタルサイネージとスマホが連動したクイズ

 

テレビ番組やメディアが広告収益で成り立つように、VR業界でも、同じようなビジネスモデルが誕生しつつあります。この背景には、VRコンテンツを広告に活用することを検討している企業が増えていることがあります。

 

今回は、VRコンテンツを広告に活用したいと考えている企業と、VRコンテンツ制作者とをつなげるスタートアップ Vertebrae(ヴァーティブレ)についてご紹介します。


広告フォーマットは2種類

Vertebraeは2015年、米国カリフォルニアで設立され、今までに1000万ドル(約11億円)を資金調達しています。この調達額を見てもVertebraeが注目されていることが分かります。

 

Vertebraeが手がける、VRコンテンツを活用した企業の広告支援は大きく分けて2種類に分かれます。1つは、オリジナルVRコンテンツ内で、企業の商品・サービスを紹介するVRコンテンツを流す広告。もう1つは、VRコンテンツ内のスペースに、企業の商品・サービスの立体物を表示する広告です。

「dodo point」(ドド ポイント)というポイントシステムをご存知でしょうか。株式会社Spoqa(スポカ)によって開発されたシステムで、小売店舗向けのクラウド型ポイントシステムです。dodo pointは、ポイントカードやスマートフォンのアプリを使わないポイントシステムです。


ポイントカードもアプリも不要

dodo pointは、タブレット1つで、ポイントを貯めたり使ったりすることができます。ポイントを貯める際は、タブレットの「ポイントを貯める」をタップして、自分の携帯番号を打ち込むだけ。

また、ポイントを使う際には「使用/照会する」をタップして、こちらも自分の携帯番号を打ち込みます。すると、現在自分の持っているポイントの合計と、交換できる商品のリストが表示されるので、そこから交換したい商品を選ぶことができます。

360°動画、360°写真が多くの業界において、活用され始めています。たとえば不動産業界。ユーザーは実際に物件に足を運ばなくても、上下左右前後に見渡せる360°動画、360°写真で、よりリアルに物件の状況を知ることができます。

 

今回は、スポーツ観戦やライブ鑑賞のチケット販売に、360°写真を活用する試みについてご紹介します。米国拠点のチケット販売サービス大手Ticketmaster(チケットマスター)が、360°動画、360°写真の作成サービスを提供するIOMediaと協業し、席からの実際の眺めを360°写真で見ることができる機能「Virtual Venue」をWebサイト、アプリに実装しました。「Virtual Venue」は「実際の席からの眺めがどんなものか分からないし、どの席がいいか判断できない」そう思っているユーザーの悩みを解決します。


ユーザーフレンドリーな機能改善を

従来のスポーツ観戦やライブ鑑賞のチケット販売サイトでは、会場の席の位置を示す2Ⅾマップしか提供されておらず、ユーザーはチケットを選択、購入するしかありませんでした。

 

「叫んでいる顔」を撮影する専用のフォトブース「SHOOUTING」をご存知でしょうか。「SHOOUTING」とは「叫ぶ」を意味する「SHOUT」と、「撮る」を意味する「SHOOT」からなる造語です。

SHOOUTINGの制作を手掛けたのは日本企業、Twotone(ツートン)で、SHOOUTINGはTwotoneの手掛けるインスタレーションアートです。

※インスタレーションアート…装置を用いて特定の場所・空間を変化・異化させ、場所や空間全体を作品として体験させる芸術のこと。


使い方は簡単。叫ぶだけ!

2002年公開のスピルバーク監督、トムクルーズ主演のSF映画マイノリティ・リポート。殺人を犯罪予知システムによって先に予知し、予防できるようになった2054年の未来を描いた作品です。劇中に、自動運転車、音声認識の家電など様々なテクノロジーが登場していることも大きな話題になりました。

 

全米の専門家や学者を招集して、近未来に実現する可能性の高いテクノロジーのアイデアを聞き、映画の中で再現しました。その中で、トムクルーズ演じる刑事ジョン・アンダートンがファッションブランドGAPの店舗に入店した時に「早々に再度のご来店ありがとうございます。アンダートンさん…」とデジタルサイネージに映った店員が話しかける場面があります。


この映画のように個々人にパーソナライズした広告が可能なデジタルサイネージの導入は進みつつあります。今回、デジタルサイネージが通行人に対して、パーソナライズした商品の広告を表示するように機能させるソフトウェア「Offer Moments」をご紹介します。

SNS連動したデジタルサイネージとは

4月29日(土)30日(日)の2日間にかけて、世界最大規模のダンスミュージックフェスティバル「EDC」が日本初上陸として開催されました。華美な演出や、空間で8万4千人を熱気に包みました。

数多くの企業出展ブースがある中、ひと際目を引いたブースがYR LIVE Printing。世界に1つだけのデザインをしたTシャツやバックなどが、その場ですぐに作成でき購入できるというもの。海外では既に、NIKEやDIESEL、Googleなど数多くのブランドとコラボレーションし、イベントに登場しています。今回は実際に体験してきたので、その様子をご紹介します。

 

大きなデジタルサイネージの筐体が用意されており、そこでデザインを選定していきます。